NY外為:ユーロ上昇、ギリシャ危機収拾への楽観を反映

ニューヨーク外国為替市場では ユーロが大半の主要通貨に対して上昇。欧州債市場ではドイツ国債 が約2週間ぶりの安値に下げ、ギリシャの財政危機が収拾したとの 投資家の楽観が反映された。

一方、ドルはニュージーランド・ドルや南アフリカ・ランドに 対して上昇。中国が成長抑制策に動くとの観測や、1月の米輸出と 輸入の両方が減少したことで、リスク資産への投資意欲が薄らいだ。 スイス国立銀行(中央銀行)が「行き過ぎた」フラン上昇を抑制す るための介入実施の姿勢をあらためて示したことから、スイス・フ ランは対ユーロで下落。スイス中銀は政策金利をゼロに近い現行水 準で据え置いた。

バンク・オブ・ノバスコシアの通貨戦略担当ディレクター、カ ミラ・サットン氏(トロント在勤)は、「ギリシャ情勢はかなり安 定した」と指摘。「毎日、少しずつ上昇している。ユーロにとって 概して良好な兆候だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時41現在、ユーロは対ドルで前日比

0.1%上昇の1ユーロ=1.3676ドル(前日は同1.3657ドル)。対 円では0.2%上昇の1ユーロ=123円83銭(前日は同123円62 銭)。ドルは対円で1ドル=90円55銭。前日の90円52銭からほ ぼ変わらず。

ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)上昇の3.18%。2日前の3.11%から戻したの は、ギリシャの債務問題取り組みへの反応でリスク資産への需要が 回復している兆候と受け止められている。同利回りはこの日、

3.2%をつけ、2月23日以来の高水準に達した。

「パニック的な売り」

米ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授(経 済学)は、ユーロの対ドル相場が今年に入り4.5%下落しているこ とについて、ギリシャの財政危機に端を発した「パニック的な売り」 との見方を示した。

フェルドシュタイン教授は11日放送のブルームバーグテレビ ジョンとのインタビューで、「比較的良好な貿易収支にもかかわら ずユーロは下落している」と指摘。「これはある種根拠のないパニ ック的な売りだ。市場参加者は『何が起こっているのか分からない。 ひとまず様子見に回り、ユーロから資金を引き揚げる』と言ってい る」と語った。

中国国家統計局が発表した2月の同国の消費者物価指数(CP I)は、前月を上回る伸びを示し、上昇率が1年4カ月ぶり高水準 となった。

2月のCPIは前年同月比2.7%上昇と、1月の1.5%上昇を 上回る伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト29人の予想中央値は2.5%上昇だった。

米貿易収支

1月の米貿易赤字は予想外に縮小した。財とサービスを合わせ た貿易収支(国際収支ベース、季節調整済み)は373億ドルの赤 字と、前月の399億ドル(速報値402億ドル)の赤字から赤字幅 が6.6%縮小した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ ストの予想中央値は410億ドルの赤字だった。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調 査担当ディレクター、キャシー・リーン氏は、「輸入と輸出の両方 が減少するようでは、成長シナリオは描けない」と語る。「リスク 通貨が売りを浴びているのはそのためだ」と説明した。

スイス・フランは対ユーロで下落。スイス中銀はこの日の政策 決定会合で、3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の誘 導目標を0.25%で据え置くことを決めた。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト調査では19人全員が据え置きを予想 していた。

「世界で最も受け入れられた通貨」

南アフリカ・ランドは対ドルで3日連続安。貴金属価格が下落 し、南アフリカの鉱工業生産の伸びがアナリスト予想を下回ったこ とから、昨年のリセッション(景気後退)からの回復ペースが鈍っ ている兆候と受け止められた。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は米 金融市場が健全で、政府の支出が持続可能な限り、米ドルが準備通 貨としての地位を維持するとの見方を示した。

S&Pでソブリン格付け委員会の委員長を務めるジョン・チェ ンバーズ氏(ニューヨーク在勤)は11日に配布したリポートで、 米ドルは米国発の世界的なリセッション以降も「世界で最も受け入 れられた通貨だ」と指摘した。

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