「ネイキッド」CDSの禁止、欧州勢が行動しても効果薄-米国は冷淡

欧州各国の政治家や規制当局は国 債のデフォルト(債務不履行)リスクを取引するクレジット・デフォ ルト・スワップ(CDS)を禁止しようと考えている。しかし、米国 が動かなければあまり効果はない見込みだ。

CDSの取引はニューヨークとロンドンが中心。しかし米国でも 英国でも規制強化は見送られた。米国規制当局と議会は昨年、現物の 債券を保有していないのに保証を購入する「ネイキッド」CDSを禁 止する案を否決した。英金融サービス機構(FSA)のターナー長官 も10日に、そのようなCDSがギリシャ危機の主因だったわけではな いとの見解を示し、性急な禁止は誤りだろうと発言した。

ヨーロピアン・スクール・オブ・マネジメント・アンド・テクノ ロジー(ベルリン)の金融サービスグループ責任者、ヤン・ハゲン氏 は、規制の動きに「米国が加わらなければ効果はわずかだ。取引が別 の場所に移るだけだからだ」と述べた。禁止は欧州の政治家による有 権者向けのアピールにはなると指摘した。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領はギリシャ危 機の再来を避けるため、デリバティブ(金融派生商品)取引規制を呼 び掛け、欧州連合(EU)の欧州委員会のバローゾ委員長は、投機の みを目的としたネイキッドCDSを域内で禁止する計画を示した。

米国を訪れオバマ大統領、ガイトナー財務長官と会談したギリシ ャのパパンドレウ首相は「節操のない投機」の撲滅を訴えており、米 国ではテレビ出演して自国を破たんした米投資銀行のリーマン・ブラ ザーズ・ホールディングスになぞらえた。

2008年9月のリーマン破たんの後に、当時モルガン・スタンレー の最高経営責任者(CEO)だったジョン・マック氏を中心としたウ ォール街の幹部が政府に緊急措置を求め、米国と英国は金融株の空売 りを一時的に禁止した。

しかし米国はギリシャの訴えには冷淡だ。首脳会談後にオバマ大 統領は声明を出さず、ギブズ報道官がギリシャ危機はEU主導で解決 するべきだと政権の姿勢を説明した。ガイトナー長官もCDS規制が 有効とは考えていない。同長官は09年3月26日に米議会で、「ネイキ ッド・スワップの禁止は不必要だし基本的に有効でもないと考えてい る」と述べていた。

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