ユーロ安は「パニック的な売り」が原因-フェルドシュタイン教授

米ハーバード大学のマーティン・ フェルドシュタイン教授(経済学)は、ユーロの対ドル相場が今年に 入り4.6%下落していることについて、ギリシャの財政危機に端を発 した「パニック的な売り」との見方を示した。

フェルドシュタイン教授は11日放送のブルームバーグテレビジ ョンとのインタビューで、「比較的良好な貿易収支にもかかわらずユ ーロは下落している」と指摘。「これはある種根拠のないパニック的 な売りだ。市場参加者は『何が起こっているのか分からない。ひとま ず様子見に回り、ユーロから資金を引き揚げる』と言っている」と語 った。

ギリシャ当局者は、対国内総生産(GDP)比の12.7%に達し ている財政赤字を削減できると投資家に説得を試みている。同国政府 は先週、支出削減と増税を盛り込んだ総額48億ユーロ(約5900億円) の追加措置を発表した。緊縮財政措置の発表は今年に入り3度目。

同教授はその上で、「ユーロに起きていることは過剰反応だ」と し、「ユーロが売りたたかれなければならない本質的な理由はない。 ドイツもフランスもリスクにさらされていない」との見方を示した。 さらに、「欧州は米国と同じやり方で世界から資金を集める必要性は ない」と述べた。

フェルドシュタイン教授は「向こう5年間の通貨の将来について 懸念すべきは、米国の財政赤字の規模や、それ以上に同国の貿易・経 常赤字の規模の方だ」と指摘した。

米議会予算局(CBO)の試算によれば、オバマ大統領の歳出案 では今年の財政赤字が1兆5000億ドル(約136兆円)と過去最大と なり、来年は1兆3000億ドルになる見通し。政府債務の増加を補う ための増税の可能性をめぐる懸念から、信頼感や投資、個人消費が抑 制される恐れがあるとフェルドシュタイン教授はみている。

同教授は、今後10年間に予測される「巨額の財政赤字」は、ド ルが現在の価値を維持できない公算があることを意味している可能 性があると語った。

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