JR東債:スプレッドが4年ぶり低水準-新型オペ拡充期待も

JR東日本が11日午前に募集を行 った10年物の国内普通社債(SB)は、対国債比のスプレッド(上乗 せ金利)が+8ベーシスポイント(1bp=0.01%)と4年ぶりの低水 準になった。新規の社債が品薄な上、日本銀行の追加的な金融緩和策 が投資家の購入意欲を誘ったとみられている。

モルガン・スタンレー証券の大橋英敏クレジット・ストラテジス トは、「足元の起債環境では、昨年末から普通社債の供給が少なく、ま た証券化商品など他のクレジット商品の発行も少ない中、社債市場の 需給は引き締まっている」と指摘した。

大橋氏はまた、昨年12月に導入された3カ月物の短期金利を翌日 物の政策金利と同じ低水準に誘導する日銀の新型オペの対象期間の拡 大期待を背景に、市場の「金利の変動性が小さくなっており、スプレ ッドはさらに1、2bpの縮小の余地があろう」との見方を示した。

事務主幹事証券の三菱UFJ証券によると、JR東が募集を行っ た社債は10年物と20年物で、発行額はともに150億円だった。表面 利率は1.394%と2.249%、国債対比スプレッドは+8bpと+11bpで それぞれ決まった。大和証券キャピタル・マーケッツが共同主幹事と なり、格付けは格付投資情報センター(R&I)のAA+を取得する。

JR東の10年債は、5日に起債した九州電力の10年債のスプレ ッド、+9bpよりも1bp縮小した。この水準は、日本銀行が量的緩和 政策を解除した2006年3月に発行された電力会社の発行条件に近づ く水準。 2005年12月から2006年3月に東京電力、九州電力、関西 電力が発行した10年債のスプレッドは、国債+7bpで決まっている。

事務幹事の三菱UFJ証券デット・シンジケーション室担当者に よると、需要調査のレンジは、10年債が+8bpから+9bp、20年債 が+10bpから+11bpで行い、最終的に10年債は下限、20年債は上限 で決まったという。ただ、20年債では、JR東債と参照国債との償還 の差異があるため、利回り曲線対比では+10bpになるという。

2009年度最後の販売となるJR債には、多くの投資家から買い注 文が集まり、2本とも超過需要になったという。10年債では、一けた 台のスプレッドに投資家が慣れてきており、+8bpのスプレッドの水 準も違和感もなく受け入れられたと同担当者はコメントした。

JR東をAA+と格付けしたR&Iは、有利子負債の削減が進ん でいるとした上で、「鉄道の安全対策投資に加え、駅周辺の大規模再開 発などで減価償却費を大きく上回る投資が当面続く見通しだが、高い キャッシュフロー創出力を背景に、引き続き有利子負債の削減を進め ていくことは可能だろう」(発表資料)という。

--取材協力 鞠子和枝 Editors:Hidekiyo Sakihama Takeshi Awaji

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