太陽光発電:イタリアと中国は「宝の山」-世界中から資金集まる

オリビエ・デベルグニーズ氏は2008 年、家業のデクシア・プライベート銀行(スイス)の管理職を辞め、 ニューヨークのウォール街で太陽光発電のベンチャー企業を立ち上げ た。

同氏は今、プライム・サンパワーの最高経営責任者(CEO)と してイタリアに太陽光発電所を建設し、数百人を雇用している。イタ リアでは石炭や天然ガスで発電している電力会社の料金の約6倍の価 格で太陽光発電による電力を売却できるのだ。

100年前、米国の西部に原油や金で一獲千金を夢見た者が集まっ たように、プライムなど太陽光発電各社はイタリアやイスラエル、中 国に殺到している。これらの国で世界最高級の料金でクリーン電力を 買い取る制度が設定されているためだ。ただ、買い取り制度導入後2、 3年で太陽光発電所の建設ラッシュが起き、各国政府は買い取り価格 の引き下げを余儀なくされている。

ドイツの太陽光発電コンサルタント、ソーラープラクシスのカー ルハインツ・レマーズCEOはインタビューで、「リターン(投資収益 率)がより魅力的な代替市場を投資家は求めている」と指摘。ドイツ やスペインへの投資熱はすでに冷めている。両国が買い取り価格を引 き下げ、太陽光発電各社にとってもはや「宝の山」ではなくなったか らだ。08年にはこの2カ国だけで世界の太陽光パネル設置の約75%を 占めていた。

電力買い取り制度(フィードインタリフ)は10年前にドイツで始 まり、消費者が支払う電力料金に上乗せされている。30カ国以上がこ の制度を導入。ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスによ ると、世界の太陽光パネルへの投資は今年50%増の500億ドル(約4 兆5000億円)が見込まれている。これで9000メガワットの発電容量 が増えれば、少なくとも7つの平均的な原子力発電所に当たる。

1日35ユーロ

ブルームバーグの試算によると、イタリアでの電力買い取り価格 は100平方メートルの屋根当たり1日35ユーロ(約4300円)になる。

プライムのデベルグニーズCEOは「フィードインタリフでわれ われの事業計画は収益が見込める」と話す。イタリア南部に太陽光発 電所を2カ所建設し2万5000世帯に電力を販売する計画という。

中国もサンテック・パワー・ホールディングズやファースト・ソ ーラーなど投資家の関心を集めている。サンテックは江蘇省の発電所 で1キロワット時当たり2.15元(28円)の収益を上げる見通し。こ れは化石燃料で発電した電力料金の約4倍だ。米アリゾナ州を本拠地 とするファースト・ソーラーは6月に中国の内モンゴル自治区で世界 最大となる太陽光発電所の建設を始める予定。

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