円が上昇、中国の金融引き締め警戒で買い戻し-資源国通貨に売り圧力

東京外国為替市場では円が上昇。 中国のインフレ加速を受け、同国の金融引き締め観測が強まる中、リ スク回避の動きから対資源国通貨を中心に円の買い戻しが先行した。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨に対して前 日の終値から水準を切り上げた。対オーストラリア・ドルでは2月の 豪雇用者数が予想を下回ったこともあり一時、1豪ドル=82円28銭 まで円高が進行。前日の海外市場では1月21日以来の円安値となる 83円32銭を付けていた。

カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長は、円の上昇につ いて「中国の経済指標を受け、利上げ観測が高まったことが大きい。 ただ、米株価指数先物は下げ幅を縮小しているし、上海株もプラスに 転じており、材料的にはかなりこなした感じもする」と話していた。

実際、正午すぎには円の上昇も一服し、午後にかけては円が伸び 悩む展開となった。

円は前日の海外市場で対ユーロ、対ドルで2月23日以来の安値 を付けたが、この日の東京市場では買い戻しが優勢となり、対ユーロ では一時、1ユーロ=123円2銭まで反発。対ドルでは1ドル=90円 21銭まで値を戻す場面が見られた。

中国の経済指標

中国国家統計局が11日発表した2月の同国の消費者物価指数(C PI)は前年同月比2.7%上昇と、1月の1.5%上昇を上回る伸びと なった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予 想中央値は2.5%上昇だった。2月の生産者物価指数(PPI)の上 昇率も同5.4%と前月の4.3%から加速。2月の工業生産や小売売上 高は前年同月比で2桁の増加となった。

シティバンク銀行個人金融部門の城田修司シニアマーケットアナ リストは「中国では資産バブルが問題になっていたが、じわじわと消 費者物価段階にもインフレ圧力が波及してきている。中国では本格的 な引き締めは始まっていないが、当局は引き締めモードに入っており、 それを裏付けるような経済統計だ」とし、「反応としてはリスク回避的 になって安全な円やドルが買われる」と話していた。

一方、カナダロイヤル銀行の高安氏は、インフレ指標について「確 かに上振れた印象はあるが、昨年2月の数字がかなり弱かったことの 反動もあるし、旧正月などの特殊要因もある」と指摘。中国の金融引 き締めについては「まずは預金準備率などの引き上げで、いきなり金 利を引き上げることはない」との見方を示す。

円は対ニュージーランド・ドルで前日終値比0.9%高の1NZド ル=62円99銭まで上昇。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が 政策決定会合後の声明で、同国の景気について「比較的停滞した状態 にある」との見方を示したことがNZドル売りにつながった。

同中銀は同会合で、オフィシャル・キャッシュ・レートを過去最 低の2.5%に据え置くことを決定。住宅価格の下落と個人消費の低迷 が景気回復ペースを鈍らせているとし、今年半ばまで利上げを見送る 考えを示した。

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