3月10日の米国マーケットサマリー:株が上昇、円は全面安

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。 (表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3651 1.3602 ドル/円 90.52 89.97 ユーロ/円 123.57 122.35

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,567.33 +2.95 +.0% S&P500種 1,145.61 +5.16 +.5% ナスダック総合指数 2,358.95 +18.27 +.8%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .90% +.03 米国債10年物 3.71% +.01 米国債30年物 4.69% +.01

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,108.10 -14.20 -1.27% 原油先物 (ドル/バレル) 81.93 +.44 +.54%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、円が主要通貨に対して軒並み下 落。中国の輸出が3年ぶりの大幅増加となったことを受け、株式など のリスク資産への投資意欲が回復した。

ドルは主要16通貨のうち12通貨に対して下落。2月の中国 輸出 が前年同月比で46%増加したことから、資源国通貨に買いが 入った。ユーロは上昇。ドイツ国債利回りの上昇やポルトガルの借 り入れコスト低下を材料に、対円で2週間ぶりの高値を付けた。

ソシエテ・ジェネラルの通貨ストラテジスト、グレッグ・ア ンダーソン氏は、「世界経済の回復は盤石だ」と指摘。「株価が上昇 すると円は通常下げるが、この数週間はその傾向が弱かった。きょ うはその反動のようだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時44分現在、円は対ユーロで前日の 1ユーロ=122円35銭から1%安の同123円60銭。対ドルでは

0.7%下げて1ドル=90円58銭(前日は同89円97銭)。ユーロ は1ユーロ=1.3646ドルと、前日から0.3%のユーロ高。

対ドルではニュージーランド・ドルとノルウェー・クローネが 特に上昇。株式市場ではS&P500種株価指数が0.3%高で推移。 ニューヨーク原油先物価格は6日連続で1バレル=80ドルを上回 って取引されている。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。中国が利上げするとの懸念があるものの、1 月の米卸売在庫が前月比で減少したほか社債市場に改善がみられたこ とから、市場参加者は景気回復が進んでいると受け止めた。

シティグループが上昇。同行は資本増強を図るため、トラスト型 優先証券を発行した。保険のアメリカン・インターナショナル・グ ループ(AIG)は急伸。事業資産の売却がAIGの経営体力を高 めるとの観測が背景。S&P500種株価指数の金融株はこの日で9 日連続高、過去12年間で最長を記録した。

午後に入ると中国はインフレ対策を講じる必要があるとの観測を 材料に、株式相場は一時上げ幅を縮小する場面もあった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比0.5%高の1145.61。ダウ工業株30種平均は2.95ドル (0.1%未満)上げて10567.33ドル。

ファースト・シティズンズ・バンクシェアーズ(ノースカロライ ナ州ローリー)のエリック・ティール氏は、「株式には上昇方向の バイアスがかかっている」と述べ、「経済統計はこれまでにも驚く 内容だったが、企業の利益循環の力強さを考慮すると、今後も予想 を上回るだろう。海外に目を向けると、中国からは景気の兆候を示 す様々な材料が発表されている。しかし同国は金融引き締めを慎重 に進めるという見方が圧倒的だ」と続けた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。世界的に株高となり、逃避先としての魅力が 薄れたため、期間が短めの国債を中心に売りが出た。

発行額210億ドルの10年債入札では応札倍率が過去最高を記 録。既発10年債は下げ渋った。欧州委員会のプローディ前委員長 がギリシャ財政危機の最悪期は終わったとの認識を示したことを 材料に、株高・国債安となった。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォー キー)で約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミューラー氏は 「株式相場が上昇し、原油相場が最近の高値付近にあることから、 リスク許容度が再び高まっているようだ。欧州の懸念材料は幾らか 和らいでいるように見える」と話した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後1時41分現在、2年債利回りは前日比3ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の0.91%。同年債(表面利率

0.875%、2012年2月償還)価格は2/32下げて99 30/32。

10年債利回りは2bp上昇の3.72%。この日発行された10 年債は、2月に発行された10年債(規模は過去最高に並ぶ250億 ドル)と銘柄統合される。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は下落。ギリシャ財政危機の緩和に伴い 金の需要が後退するとの見方から、1カ月ぶり大幅安となった。

ユーロの対ドル相場は一時0.6%高。5日には、ギリシャの債 務問題がユーロ安につながるとの懸念から代替投資としての金買 いが膨らみ、ユーロ建て金相場は過去最高に達していた。

アーチャー・ファイナンシャル・サービシズの商品アナリスト、 スティーブン・プラット氏(シカゴ在勤)は「欧州の債務危機は沈 静化しつつある。ユーロが上昇し始めれば、金を売り、ユーロを買 い戻すタイミングを探る展開となるだろう」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物 4月限は前日比14.20ドル(1.3%)安の1オンス=1108.10 ドルで取引を終了。中心限月としては2月4日以来の大幅安となっ た。週初からは2.4%下げている。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は8週間ぶり高値まで上昇。週間在庫統計 によると、需要拡大と製油所の設備稼働率低下に伴い燃料在庫が減少 した。この発表を受けて原油の買いが膨らんだ。ガソリンも上昇。

米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表した5日終 了週の在庫統計によると、ガソリン在庫は2億2900万バレルと、 前週から296万バレル減少した。燃料消費は前週比0.2%増の日 量1970万バレルと、昨年8月以来の高水準となった。一方、製油 所の設備稼働率は5週間ぶりに低下した。

リンド・ウォルドック(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、 リチャード・イルチスジン氏は「過去数週間にかけてガソリンが原 油相場を大きく動かしてきた。それがこの日の在庫統計の数字に表 れている」と指摘。「株が若干上昇していることも、健全な経済成 長と燃料需要の拡大を示唆するものだ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比0.60ドル(0.74%)高の1バレル=82.09ドルで取引を終 了した。一時は83.03ドルと、1月11日以来の高値を付けた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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