東京建物:大手町再開発、一部売却も-新規投資へ資金回収

東京建物は同社の開発プロジェク トとしては過去最大規模の東京都千代田区大手町の再開発計画の一部 を売却する可能性がある。投資資金を一部回収することで新たな投資 資金を確保することなどが狙い。

同社の広報IR室長の各務善敏氏が9日、ブルームバーグ・ニュ ースのインタビューで明らかにした。同氏はプロジェクトのうち15- 16%分について「売却の可能性があるかもしれない」と述べた。

各務氏は、約3000億円の総事業費に対し、4500億円程度の資産価 値が期待されるため、大きな含み益が見込める、と語った。売却する 場合、高収益物件の投資資金を回収して財務体質を強化することと、 新たに投資を継続する狙いの両面があるという。

同プロジェクトは東京大手町の「みずほ銀行大手町本部ビル(旧 富士銀行本店)」と「大手町フィナンシャルセンター」を一体化した大 型再開発計画「(仮称)大手町1-6計画」。09年11月から着工し、完 成は2014年4月の予定。東京建物は大成建設とともにプロジェクトを 手掛けるSPC(特別目的会社)へ出資し、東京建物がプロジェクト 全体の83%を保有している。

同社はSPCを通じて、用地を04年に約1450億円で取得した。 各務氏は、含み益が見込めるのは取得のタイミングが良かったほか、 大型の再開発で容積率が大きくなったことが理由としている。容積率 は当初の基準の約1300%から約1600%に拡大した。プロジェクトの資 産価値が約4500億円の場合、売却対象の資産価値は700億円を上回る。

クレディ・スイス証券の望月政広アナリストは、大手町の再開発 計画の含み益を約1800億円と推定しており、「一部を売却となればす ぐに買い手がつく可能性があるだろう」と述べた。

東京の不動産取引は05年以降急増した。みずほ信託銀行系の不動 産調査会社、都市未来総合研究所によると、上場企業などが公表した 不動産取引額は98-04年度までは年間2-2.6兆円で推移していたが、 05年度は4兆円以上、07年度は5.5兆円に増加した。

リーマンショック以降、低迷していた東京の不動産市場では昨年 後半から取引が復活しつつある。都市未来総合研究所の調査によると、 日本版不動産投資信託(Jリート)の上場41投資法人の物件取得はリ ーマンショック以降激減し、09年8-10月は3カ月連続でゼロだった が、11月には16件(合計297 億円)、12月も12件(同367億円)を 取得した。

不動産取引の状況の改善を受けて、各務氏は「良い物件なので共 同事業者としてやりたいという方はいると思う。ただ、当面は(プロ ジェクトの)3分の2以上は引き続き当社が保有していきたいと考え ている」と述べた。

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