富士通:東証の幕引き不十分、ガバナンス懸念続く-投資家

富士通の野副州旦前社長辞任の理由 訂正をめぐる問題で、東京証券取引所が9日に同社を厳重注意にとどめ たのは不十分だったとの声が投資家から出ている。今回のケースは富士 通のガバナンス(企業統治)への信頼感を傷つけ、週明け以降の同社株 価にも響いたことが背景にある。

モルガン・スタンレー証券の宮地正治アナリストは英文リポートの 中で、東証の今回の幕引きが、富士通株をめぐるリスクを取り払い、株 価が反発する可能性があると指摘。しかし、投資家は引き続き野副氏が 不適切な企業と関係があったのかなどを懸念し続けるだろうとした。

10日の富士通株価は3営業日ぶりに反発、取引開始直後には前日比 14円(2.6%)高の560円を付けたが、その後伸び悩んだ。午前終値は 同1.5%高の554円。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、富士通の経営の透明性に 対する懸念は長引く可能性があるとコメント。富士通で「ガバナンスを 覆す話」が起きたにもかかわらず真相を究明できない「東証の体制の不 備」も問題と指摘した。

住信アセットマネジメントの三沢淳一株式運用部長も、今回の件に 関する富士通側の説明は依然として不足しているとして、同社の「ガバ ナンスや情報開示スタンスには懐疑的になる必要がある」と語る。

富士通は6日、辞任の理由を昨年9月に公表していた「病気療養」 から「好ましくない風評のある企業グループ」との関係に訂正。東証は 適時開示の点で問題があるか調査。昨秋の開示は「適正性に欠けてい た」としつつも「投資判断に大きな誤りをもたらすほどの重大な影響が あるとまでは言い難い」として、改善計画提出までは求めなかった。

--取材協力:Pavel Alpeyev 北中杏奈、中島三佳子

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