日本株は小幅続落、海運や石油安い-SQ控え日経平均動き今年最小

東京株式相場は小幅続落。ばら積 み船の運賃市況の反落を嫌気し、海運株が売られた。海外原油先物相 場の下落が響き、石油・石炭製品、鉱業など石油関連株も安い。

日経平均株価の終値は前日比3円73銭(0.04%)安の1万563 円92銭、TOPIXは同1.94ポイント(0.2%)安の922.44。9日 の取引と同様に、両指数とも前日終値を挟む小幅レンジでの推移が続 き、日経平均の値幅(高値から安値を引いた値)は41円と、2月16 日(43 円)を下回り、今年最小を記録した。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーによると、 3カ月に1度の株価指数先物・オプション3月限の特別清算値(SQ) 算出前で、もともと様子見ムードが広がりやすい中、「マクロでの経済 統計やイベント、ミクロ面の企業業績ともに材料を欠き、投資家の売 買手控えに拍車がかかった」という。

ばら積み船の国際運賃市況のバルチック海運指数が9営業日ぶり に反落し、川崎汽船や商船三井などが安く、東証1部の海運株指数は 業種別33指数で値下がり率1位。9日のニューヨーク原油先物が前日 比0.5%安と反落したことを受け、収益への悪影響を懸念する格好で コスモ石油、新日鉱ホールディングス、国際石油開発帝石など石油関 連株も下げた。33業種の下落率で石油・石炭製品は2位、鉱業は4位。

デフレ感も重しに

このほか、ソフトバンクやNTT、KDDIといった情報・通信 株が続落、野村ホールディングスなど証券株、三菱UFJフィナンシ ャル・グループなど銀行株にも売りが優勢だった。

りそな銀の戸田氏は、物価面に着目すると、先進国の中で日本は 最も深刻なデフレ状態にあると指摘した上で、「デフレ克服の道筋がは っきり見えない現状では、内需株を中心に日本株の持ち高をさらに積 み増す行動に移せない」と話した。この日朝方発表された2月の国内 企業物価指数は、前年同月比1.5%低下した。前年比のマイナスは14 カ月連続だ。

一方、世界的な景気回復期待が醸成される中、電機や機械、ガラ ス・土石、精密機器など景気敏感株の一部が上昇、その他金融株の上 げも目立ち、相場全般を下支えした。

機械株へ徐々に見直し買い

9日発表された2月の工作機械受注額(速報値)が前年同月比3.2 倍の647億9000万円となったこともあり、朝方さえない場面もあった 機械株が徐々に見直される展開となった。東芝機械、オークマ、牧野 フライス製作所、ツガミなどが高い。

このほか、予想配当利回りが3%を超えるうえ、携帯ゲーム機の 最新機種への期待が強い任天堂は連日高で、今月に入って1割超上昇。 ソニーは2日ぶりに昨年来高値を更新。「液晶テレビ事業の損益改善が 進んでいるほか、来期に3Dテレビを発売すると発表したこともあり、 業績改善期待が高まっている」と、野村証券の佐藤雅彦エクイティ・ マーケットアナリストは指摘する。

水戸証券の吉井豊投資情報部長によると、あすに中国で鉱工業生 産、小売売上高、消費者物価指数など重要な月次経済統計の発表が相 次ぐことから、「マクロ統計での中国の経済状態の確認や、それを受け た中国株の反応を見極めたいとの心理も強く働いていた」という。こ うした中、「下値では外国人投資家の大口買いが控える一方、上値で国 内機関投資家の決算対策売りが出るため、需給面でも上下に大きく動 きにくい」と、野村証の佐藤氏は話していた。

東証1部の売買高は概算で16億1877万株、売買代金は1兆722 億円。値下がり銘柄数が962、値上がり557。業種別指数は海運、石油・ 石炭製品、情報・通信、鉱業、ゴム、銀行、輸送用機器など23業種が 下落、その他金融、ガラス・土石製品、保険、機械など10業種が高い。

リンガー急落、日新鋼やプロミス大幅高

個別では、自己株式の処分にかかる株式売り出しと第三者割当増 資で約21億円を調達するリンガーハットが、潜在的な売り圧力の増大 などが嫌気され急落。消費者の低価格志向が強まる中での売り上げ弱 含みの長期化を警戒、大和証券キャピタル・マーケッツが投資判断を 「1(買い)」から「3(中立)」に下げたメガネトップも安い。

半面、日経平均の構成銘柄に採用されることになった日新製鋼が、 指数連動型ファンドの組み入れ期待から急伸。前社長の辞任理由訂正 に関する調査で、東京証券取引所が、処分を厳重注意にとどめたと発 表した富士通は3日ぶりに反発。中国の化学品製販会社と資本提携し たイハラケミカル工業、米系運用会社による保有株式比率の上昇が確 認されたプロミスが買いを集めた。貸付債権200億円とともに、子会 社の新日軽を住生活グループに譲渡する日本軽金属は、経営健全化の 期待で大幅高。

国内新興3市場は、前日に08年9月以来の高値を付けたジャスダ ック指数が前日比0.7%安の51.92と5営業日ぶりに反落。東証マザ ーズ指数は0.7%安の417.08、大証ヘラクレス指数は0.4%高の586.29 と高安まちまちだった。

個別では、田中化学研究所、デジタルガレージ、グリー、アニコ ムホールディングスが下落。一方で大戸屋、セガトイズ、比較.com、 前日新規上場の大光が上昇。連結子会社が4月からのクラウド/回線 双方のサービス拡充、連結範囲の拡大で第3四半期累計決算が33%増 収になったフリービットも高い。提携先アドアーズへのアミューズメ ント景品販売の堅調などで、第2四半期累計の売上高、純利益を増額 したネクストジャパンホールディングスはマザーズの上昇率1位。

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