債券は中期債が小幅安、入札前に5年債売り優勢-長期金利は1.30%

債券市場では中期債相場が小幅安 (利回りは上昇)。あすの入札実施を前に5年債には売りが優勢となっ た。一方、手掛かり材料難もあって投資家が様子見姿勢を強めたこと から、長期金利は1.30%付近でこう着感が強まった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、日銀による追加緩和の観測が中期ゾーンの支えだとはいえ、さす がに5年債利回りで0.4%台半ばは買い進みにくいといい、「先物の買 い戻し一巡とも相まって上値の重い展開だった」との見方を示した。

この日は中期ゾーンには売りが先行。5年物の87回債利回りは前 日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.465%での推移となり、午後 3時過ぎには1bp高の0.47%をつけた。

追加緩和観測が広がった前週末以降の取引で、5年債利回りは

0.4%台半ばに水準を切り下げたが、あすの入札を前にこの日は売りが 膨らんだ。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グルー プリーダーは、5年債入札を前に証券会社のヘッジ売りが出たほか、 年金基金からは中期ゾーンを売って長期や超長期債を買う長期化入れ 替えが入ったもようで、結果的に中期債相場の軟調推移につながった という。

あす5年債入札、クーポン据え置きか

財務省は11日に5年利付国債(3月債)の価格競争入札を実施す る。新発5年債の表面利率(クーポン)について、市場では0.5%に 据え置かれるとの見方が有力。発行額は前回債と同じ2兆4000億円程 度。

5年物の87回債利回りは今年に入って以降に0.5%付近でもみ合 っていたが、日銀の追加緩和観測が高まった前週後半には0.46%まで 低下した。ただ、償還期日が3カ月延びる新発5年債の実勢水準は

0.5%付近となっており、モルガン・スタンレー証券の伊藤篤債券スト ラテジストは、追加緩和期待が5年債入札を後押しするとみており、 「金利低下のターゲットを0.45%とした押し目買い」を推奨している。

三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテジストは、追加緩和の狙 いの一つにTIBOR3カ月物金利の押し下げがあるとされているた め、仮に日銀の思惑通りにTIBORが低下する可能性を勘案すると、 5年債にも一段の金利低下余地が出てくると予想していた。

先物は3カ月ぶり高値

東京先物市場の中心限月3月物は前日比3銭安い140円23銭で始 まり、しばらくは140円20銭台でのもみ合いが続いた。午後に買いが 優勢となると140円37銭まで上昇して、中心限月ベースで3カ月ぶり の高値圏に到達。結局は6銭高い140円32銭で取引を終えた。

株式市場では日経平均株価が小幅マイナス圏で推移したこともあ って、先物3月物は午後に一段高する場面があったが、市場では限月 交代に伴う買い戻しは一巡したとの見方が出ていた。実際、3月物の 未決済残高である建玉は、前週末の6兆円台から9日には3兆円台半 ばまで急減しており、この間の相場がじり高だった経緯から売り方の 買い戻しが進ちょくしたとみられる。

こうした中、朝方発表された機械受注統計の債券市場への影響は 限定された。内閣府が発表した1月の機械受注統計によると、国内民 間設備投資の先行指標である船舶・電力を除く民需は前月比3.7%減 少となり、市場予想の中央値である同3.5%減に近い水準となった。

現物市場で新発10年物の306回債利回りは前日比0.5bp低い

1.30%で始まり、その後は1.30-1.305%での小動きが続いた。

もっとも、306回債利回りは4日に1.335%をつけた後に低下傾向 にある。市場では、10年債利回りの1.3%が節目になっているとの指 摘もあるが、週末以降に再び金利がじり安に推移する可能性もある。 大和住銀投信の伊藤氏は、来週にかけて国債償還に伴う資金が流入す るとみており、「あすの5年債入札を予想通りに波乱なくこなせば、来 週にかけて1.2%台に金利水準が切り下がる」と予想していた。

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