3月9日の米国マーケットサマリー:株式、国債がともに小高い

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。 (表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3600 1.3634 ドル/円 89.97 90.31 ユーロ/円 122.35 123.13

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,564.38 +11.86 +.1% S&P500種 1,140.45 +1.95 +.2% ナスダック総合指数 2,340.68 +8.47 +.4%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .87% -.02 米国債10年物 3.69% -.02 米国債30年物 4.67% -.02

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,122.30 -1.70 -.15% 原油先物 (ドル/バレル) 81.31 -.56 -.68%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、円が大半の主要通貨に対して 上昇。格付け会社フィッチ・レーティングスが、ギリシャ政府が赤 字削減計画を実行に移すとの保証はないと指摘したことを受け、高 利回り資産への需要が後退した。

フィッチはギリシャ内閣の中で赤字削減計画に反対の声が上が り始めている兆候があると説明。これに反応し、円はユーロに対し て上昇した。ポンドはドルと円に対して下落した。フィッチは英国 の財政赤字削減ペースについて、同国の信用プロフィルが急激に悪 化したことから、現行の計画よりも加速させることが必要だと指摘。 これが材料視された。

みずほコーポレート銀行の米通貨セールス担当責任者、ファビ アン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は、「きょうの円上昇は リスク回避の動きによるものだ」と指摘。「ギリシャの問題は少し の間遠ざかったが、再び表面化しつつある」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時21分現在、円はユーロに対し前日比

0.6%高の1ユーロ=122円43銭。前日は123円13銭だった。対ド ルでは0.4%上げて1ドル=89円98銭(前日90円31銭)。ユーロ はドルに対し1ユーロ=1.3607ドルと、前日の1.3634ドルから

0.2%下落した。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。この日は、S&P500種株価指数が2009年 の弱気相場での最安値を記録してから1年の節目だった。米経済は 今後もリセッション(景気後退)からの回復を続けるとの見方が背 景にある。

エレベーターや空調装置などを製造するユナイテッド・テクノロ ジーズや複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)、通信のAT &Tを中心にダウ工業株30種平均は上昇。航空機メーカーのボーイ ングも上昇した。米防衛関連大手ノースロップ・グラマンが米空軍 からの受注を断念したことから、争奪戦を繰り広げていたボーイン グの株式に買いが膨らんだ。

ユナイテッド航空の親会社UALが上昇。1マイル当たりの平均 旅客収入が拡大した。この日は引け前1時間で米主要株価指数が一 時下落する場面もあった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比0.2%高の1140.45。ダウ工業株30種平均は11.86ド ル(0.1%)上げて10564.38ドル。

フェデレーテッド・インベスターズ(ニューヨーク)の株式市場 チーフストラテジスト、フィリップ・オーランド氏は「喜ぶべき節 目だ」と述べ、「米景気はリセッションから脱却し、持続的に回復 しており、株式相場はこのまま徐々に上昇を続けるだろう。投資家 は次の買い材料を待っている」と述べた。

◎米国債市場

米国債市場では3年債が小幅ながら5日ぶりに上昇。3年債入 札は発行額が過去最高に並ぶ400億ドルだったものの、落札利回り が予想を下回り、買いが優勢になった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの金利ストラテジスト、クリ スチャン・クーパー氏は「不透明感が広がったことで需要が高まっ た」と指摘した。

シカゴ連銀のエバンス総裁の発言も利回り低下につながった。 同総裁は高失業率が続いているほか、インフレ率が総裁自身の設定 した目標を下回る水準にとどまっているため、低金利は「しばらく の間」必要になる可能性が高いとの認識を示した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後1時19分現在、10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの

3.72%。同年債(表面利率3.625%、2020年2月償還)価格は1/32 未満下げて99 7/32。S&P500種株価指数が12年ぶりの安値を付け たちょうど1年前、10年債利回りは2.86%だった。

既発3年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の1.40%。前日までは4営業日連続で上昇していた。 2年債利回りは1bp低下の0.88%。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続落。ドルの上昇を背景に代替投資 としての金の需要が後退したほか、中国が金を外貨準備の主要投資 先とする可能性は低いとの認識を示したことも売り材料となった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は一時0.5%高となり、年初来の上昇率は3.4%に達した。 中国国家外為管理局(SAFE)の易綱局長は、同国が保有する外 貨準備を多様化する上で、金が第一の投資先になる公算は小さいと の認識を明らかにした。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラ ン社長は「すべてドルの動きによるものだ」と指摘。「ドルが続伸 している状況では金に勝ち目はない。中国が外貨準備の主要投資先 にできるほど金の量は多くない。ドルを保有せざるを得ない」と語 った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比1.70ドル(0.2%)安の1オンス=1122.30ドルで 取引を終了。一時は1108.20ドルと、2月26日以来の安値まで下げ る場面もあった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は3日ぶり下落。ドルの対ユーロ相場が 上昇したことで、代替投資としての商品への魅力が後退した。

原油は一時2.1%安。ギリシャの財政問題を引き金にほかの欧州 諸国でもソブリンリスクが発生するとの懸念から、ユーロが下げた ことが背景。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が10日に 発表する5日終了週の在庫統計で原油在庫の増加が見込まれている ことも売り材料となった。

食糧やエネルギー関連の商品に投資するヘッジファンド、ラウ ンド・アース・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏は 「世界の経済情勢と欧州諸国の債務問題について、かなり懐疑的な 見方がある。そのため、ドルが安全な投資先として再び浮上してお り、原油相場に打撃を与えている」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比0.38ドル(0.46%)安の1バレル=81.49ドルで取引を終了した。 8日には0.37ドル高の81.87ドルと、終値ベースでは1月11日以 来の高値を付けていた。

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