NY外為:ドル下落、株価上昇でリスク資産需要高まる

ニューヨーク外国為替市場では、 ドルがブラジルやカナダといった商品輸出国の通貨に対して下落。 株価上昇で、世界的な景気回復の恩恵を受ける資産への需要が高ま った。

円は大半の主要通貨に対して上昇。3月期末を控え日本企業が 本国への資金還流に動いているとの観測が背景にある。ポンド は 主要16通貨すべてに対して下落。フィッチが、英国の信用プロフ ィルが急激に悪化していると指摘したことを受けた。

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディ レクター、ジャック・スピッツ氏(トロント在勤)は、「比較的リ スクを取りやすい環境といえる」と指摘。「一時下げていた欧州株 が取引後半に戻してきたことで、為替市場でのリスク許容度が高ま った。経済成長と最も強い関連性のある通貨が恩恵を受けている」 と述べた。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、ドルは円に対し前日比

0.4%安の1ドル=89円97銭。前日は90円31銭だった。ユー ロに対しては上昇し、前日比0.3%高の1ユーロ=1.3598ドル(前 日1.3634ドル)。ユーロの対円相場は1ユーロ=122円36銭で、 前日の123円13銭から0.6%下落。

豪ドルは米ドルに対し0.5%高の1豪ドル=0.9138米ドル (前日は0.9092米ドル)。ブラジル・レアルは0.7%上げて1ド ル=1.7757レアル(前日1.7885レアル)。

ドルはこの日を含め過去10日間のうち9日、レアルに対して 下落。株式相場の上昇でキャリー取引が活発になったことが背景に ある。

円が対ドルで上昇した背景には、日本企業が3月期末を控えて 本国への資金還流に動いているとの観測がある。バークレイズの為 替ストラテジスト、アループ・チャタジー氏は9日付のリポートで 「日本への資金還流の動きは向こう数週間、3月末まで続く可能性 が高い」と指摘。「この流れが、対円でのドル上昇を抑えるとみら れ、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)も上値が重くなる可能 性がある」と語った。

7週ぶり高値

豪ドルは米ドルに対し一時、1豪ドル=0.9148米ドルと、7 週間ぶり高値を付けた。豪州の2月の求人広告件数が10年余りで 最大の増加率となり、豪準備銀行(RBA、中央銀行)が来月利上 げを実施するとの観測が広がったことが材料。

クレディ・スイスの指数によれば、スワップトレーダーらは、 RBAが4月6日の政策決定会合で利上げを決定する確率を30% と見込んでいる。前日の時点では25%だった。

フィッチは英国について、対国内総生産(GDP)比の財政赤 字比率を引き下げるため、一段の財政調整が必要だと指摘。これに 反応しポンドは下落。フィッチの世界経済責任者、ブライアン・ク ルトン氏は、ロンドンでの説明会で、歳入・歳出計画の調整のペー スが「遅過ぎる」と指摘。同国は2015年3月までに財政赤字を対 GDP比で4.4%に削減する計画を示しているが、それを3%にす べきだと述べた。

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