米国債:3年債が上昇、入札好調とシカゴ連銀総裁発言で

米国債市場では3年債が5日ぶ りに上昇。3年債入札は発行額が過去最高に並ぶ400億ドルだった ものの、逃避資金が期間の短い国債市場に流れた。

応札倍率は3.13倍と、昨年11月以降で最高となった。シカゴ 連銀のエバンス総裁の発言も利回り低下につながった。同総裁は高 失業率が続いているため、低金利は「しばらくの間」必要になる可 能性が高いとの認識を示した。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの金利ストラテジスト、クリ スチャン・クーパー氏は「不透明感が広がったことで需要が高まっ た」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後3時10分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の3.71%。同年債(表面利率

3.625%、2020年2月償還)価格は3/32上げて99 10/32。S&P500 種株価指数が12年ぶりの安値を付けたちょうど1年前、10年債利 回りは2.86%だった。

既発3年債利回りは3bp低下の1.38%。2年債利回りは2b p低下の0.88%。

エバンス総裁は講演後、記者団に対し、米連邦公開市場委員会 (FOMC)が今後「3、4回の会合」にわたり、政策金利を低水 準に維持する可能性が高いとの見通しを明らかにした。また、「長 期にわたり」低金利を維持するとのFOMCの方針を支持する考え もあらためて示した。

CMEグループの取引所の金利先物動向によると、米金融当局 が9月までに少なくとも0.25ポイントの利上げを実施する確率は 41%。1カ月前は48%だった。FOMCは2008年12月以降、政策 金利を0-0.25%のレンジで維持している。次回会合は16日。

ニューヨーク連銀の金融市場担当責任者、ブライアン・サック 氏は、2兆3000億ドル(約208兆円)規模の米連邦準備制度理事会 (FRB)バランスシートを資産売却によって急速に縮小すれば、 金融市場の混乱を招き、政策当局者の現在の目標を妨げる恐れがあ ると指摘した。

その上でサック氏は、バーナンキFRB議長が先月概略を示し たような「緩やかで受動的な」資産の縮小であれば、FRBの1兆 6900億ドル規模の証券購入プログラムの効果で低水準にある長期金 利の反転を抑制することができるとの認識を示した。8日のバージ ニア州アーリントンでの講演で述べた。

入札

米財務省が9日実施した3年債入札の結果によると、最高落札 利回りは1.437%と、入札直前の市場予想1.449%を下回った。

海外の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める割合は

51.8%。過去10回の入札の平均は52%だった。2月の落札利回りは

1.377%だった。

三菱UFJフィナンシャル・グループのシニア米国債トレーダ ー、トム・ロス氏は「海外投資家には投資資金がある。米国債以外 に資金を向ける市場がない。米国債は今、最も安全な投資先だ。入 札はその規模にかかわらず、好調が続くだろう」と述べた。

財務省は10日に10年債(規模210億ドル)、11日に30年債 (同130億ドル)の入札を実施する。

一方、BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、 サプラト・プラカシュ氏は、「利回りは今後数日、わずかに上昇す る可能性がある。長期債の入札が2回あり、相場を圧迫するだろう。 やや強気な景気見通しは相場には完全には織り込まれておらず、米 国債相場の重しとなり得る」と指摘した。

1年前

1年前のこの日、S&P500種は1996年9月以来の安値水準で 終了。米保険・投資会社、バークシャー・ハサウェイを率いる資産 家ウォーレン・バフェット氏は米経済が「がけから転落した」と発 言した。S&P500種はこの1年間で69%戻している。

株価が09年の安値から戻す中、バンク・オブ・アメリカ(BO A)メリルリンチ指数によると、10年債の過去1年の投資収益率は マイナス3.8%となっている。

バーナンキ議長が景気回復を支援するため政策金利を過去最低 水準で維持する方針を示したため、同じ期間の2年債の収益率はよ り長期の国債よりも良かった。メリル指数によれば、2年債の収益 率は2%、30年債はマイナス14%だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE