米OSI買収額引き上げ公算、アステラ薬はがん治療薬強化へ

米OSIファーマシューティカル ズは、承認済みのがん治療薬から収益を出している数少ない米バイオ テクノロジー企業の1社と位置付けられているため、アステラス製薬 がOSIを買収するには価格引き上げを余儀なくされる公算が大きい。

OSIの株価は買収価格の引き上げ観測を背景に、アステラスの 提示価格(1株当たり52ドル)を上回る水準に高騰している。2007 年以降、実験中のがん治療薬4種類の権利を取得しているアステラス は買収により、OSIを利用してこれらの治療法を米当局承認に導く ことができるほか、OSIが有する50人の新薬販売部隊も活用でき る。

三菱UFJ証券の中沢安弘シニアアナリストは、OSI買収によ って「米国のがん事業の基盤強化、開発、マーケティング、がんの専 門医とのネットワークを手に入れることができる。アステラスとして はここから20%くらい、1株当たり65ドルから70ドルを提示する キャパは持っている」としながらも、これまでの交渉の経緯からみて、 もし引き上げたとしても限度があるだろうと説明した。

アステラスは主力薬の免疫抑制剤「プログラフ」の特許が米で切 れて後発薬との競争にさらされているため、新たな収益源が必要。ア ステラスはOSIを買収すれば、同社としては初めて市販のがん治療 薬を手掛ける事業を獲得できる。この薬品は進行性の肺腫瘍治療に使 用される「タルセバ」で、2009年にOSIと提携先のロシュ・ホール ディングに16億ドルの収入をもたらしている。

アステラスの株価は9日、前日比35円(1.1%)安の3295円で 終了。8日のOSIの株価は米ナスダック市場で69セント(1.2%) 安の56.30ドルで終了。アステラスが3月1日に買収提案して以来 52%上昇している。

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