円が全面高、株高一服で高金利通貨に売り圧力-対ユーロ122円台前半

東京外国為替市場では円が全面高と なった。世界的な株高に一服感が広がる中、リスク選好的な高金利通 貨買いに慎重姿勢が広がり、相対的に低金利の円に買い圧力がかかっ た。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨すべてに対 して前日の終値から水準を切り上げている。ユーロ・円相場は前日の ニューヨーク時間午後遅くに付けた1ユーロ=123円13銭から一時、 122円22銭まで円が上昇。前日の東京市場では2月23日以来の円安 値となる123円90銭を付けていた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の内田茜ヴ ァレリーFXストラテジストは「特に材料がない中、方向感が出にく く、週後半に発表される中国の経済指標や豪雇用統計などが出てくる まではこのような状況が続きそう」と指摘。その上で、「最近はドル・ 円と株価、リスク回避などの動きとの相関が再び高まっているようで、 中国の金融引き締め観測が出てくれば、ドル・円やクロス円(ドル以 外の通貨の対円相場)全般に下押し圧力がかかる可能性もある」との 見方を示した。

中国では今週、10日に2月の貿易統計、11日に同月の消費者物 価指数(CPI)、鉱工業生産などが発表される。特にCPIが注目 で、インフレ加速が示されれば、金融引き締め観測が強まり、株価の 下押し材料になる可能性があるとみられている。

中国国家外為管理局(SAFE)の易綱局長は9日、金利格差の 拡大によって人民元は上昇圧力の高まりに直面しているとの見解を示 した。

円に買い戻し圧力

米雇用統計の強めの内容などを受け、前週末から週明けにかけて 世界的に株高が進んだが、8日の海外市場ではその動きも一服。米国 株は前週末比ほぼ横ばいとなり、この日の東京株式相場は小幅反落と なった。

9日のアジア株ももみ合い。リスク選好の動きが一服する中、外 国為替市場では高金利通貨を売って円を買い戻す動きが優勢となり、 円は対ドルでも週明けに付けた2月23日以来の安値、1ドル=90円 68銭から値を戻した。

ドル・円相場は90円ちょうどを突破し、一時、89円88銭まで 円高が進行。三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は 「このところ南アフリカ・ランドなど連騰が続いていたが、今は売買 の回転が速く、クロス円も大きく上昇していたので、いわゆる利食い が出てしまうのも仕方がない」と指摘した。

また、NTTスマートトレードの工藤隆市場情報部部長は、円買 いについて「年度末に絡んだレパトリエーション(自国への資金回帰) が入っていたようだ。日本の大手生保のIPO(新規株式公開)に絡 んだ円買いの思惑も出ていた」と解説した。

欧州通貨

円は対ポンドでも1ポンド=136円台前半から134円台後半まで 上昇。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、英 国で銀行業界への政府支援が徐々に縮小されるのに伴い、財務状況が 改善していない同国の銀行を格下げする可能性を指摘したことが材料 視された。

一方、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.36ドル台前半から一時、

1.3600ドルを割り込むなど小動きながら上値の重い展開となった。 RBSの内田氏は「ギリシャについてはデフォルト(債務不履行)な どの懸念は和らいだが、長期的に見て欧州の財政状況に対する懸念は 変わらなくあるので、ユーロ自体については強気になれない」と話し ていた。

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