日本株3日ぶり反落、素材やディフェンシブ安い-日経平均値幅50円

東京株式相場は3営業日ぶりに小幅 反落。欧米商品市況で金や銅、ニッケル価格が下げた影響などで、非鉄 金属、鉄鋼といった素材関連株の一角が下落した。国内外経済統計の改 善傾向が続く中、陸運や情報・通信、電気・ガスなど景気変動の影響を 受けにくいディフェンシブ業種も売りに押された。

日経平均株価は前日までの2営業日で440円(4.3%)高と急伸。 ボリンジャーバンドなど一部テクニカル指標が足元の上昇ピッチの速さ を警戒する水準に達し、いったん売りが出やすいタイミングでもあった ため、株価指数はプラス場面もあったが、終始上値は重かった。

日経平均株価の終値は前日比18円27銭(0.2%)安の1万567円 65銭、TOPIXは同2.93ポイント(0.3%)安の924.38。日経平均 の日中値幅(高値から安値を引いた値)は50円と、今年最小を記録し た2月16日(43円)以来の小ささ。

しんきんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネージ ャーは、「上にも下にもけん引する業種が見当たらず、典型的な様子見 相場」と指摘。ただ、直近での上昇ピッチの速さ、金属先物の下落、一 時1ドル=90円の節目を割り込む円高進行といったマイナス材料が重 なったことを考慮すれば、「底堅さが際立った。『閑散に売りなし』の 格言通りだ」という。

8日のニューヨーク商業取引所の金先物4月限は、前営業日比1% 安の1オンス=1124ドルで終了。中心限月の下げとしては2月4日以 降で最大だった。ロンドン金属取引所(LME)では銅、ニッケルも安 く、収益へのマイナスの影響が懸念され、DOWAホールディングスや 三菱マテリアルが小幅下落。素材関連では、ブリヂストンなどゴム製品 株、新日本製鉄、大平洋金属など鉄鋼株、帝人など繊維株も安かった。

国内外で経済の回復期待が高まる中、ディフェンシブ業種も下落。 JR東日本や中部電力、アステラス製薬、NTTが安い。この日午後2 時発表の1月の景気動向指数は、一致指数が前月比2.5ポイント上昇の

99.9と、リーマン・ショック直前の08年8月(99.1)を上回った。

8日の米国株は、ダウ工業株30種平均が前週末比0.1%下げて

10552.52で終える一方、ナスダック総合株価指数は0.3%高の2332.21 と高安まちまち。米株相場の流れを引き継ぎ、この日の日本株は朝方か ら方向感を欠いた。

先高期待の中で抜け切れず、中国統計やSQ

いちよし証券投資情報部の高橋正信チーフストラテジストは、「国 内外で様子見材料が山積しており、投資家が動けなくなっている」と話 す。今週半ば以降は、中国でマクロ経済統計の発表が目白押し。中国で は10日に2月の貿易収支、11日には2月の鉱工業生産、小売売上高、 消費者物価指数などが予定されている。

また今週末は、国内で株価指数先物・オプション3月限の特別清算 値(SQ)算出も控える。「現物株の薄商いが続くだけに、SQ値が上 下に大きく振れる可能性もあるため、SQ前の売買が手控えられている 面もある」と、高橋氏は言う。

ただ、マネックス証券の金山敏之マーケット・アナリストは、日本 銀行の追加金融緩和観測、米雇用統計などを受けて日経平均のチャート が「三角保ち合い」から上放れ、一目均衡表の抵抗帯(雲)の上限(1 万532円)を上回ってきた点に注目。きょうの相場で底堅さを確認した ことで、「基調は強い。あす以降に戻りを試す展開に期待を持てる」と していた。

東証1部の売買高は概算で16億1529万株、売買代金は1兆1025 億円。値下がり銘柄数が920、値上がり589。業種別指数はゴム製品、 陸運、サービス、空運、情報・通信、電気・ガスなど25業種が下落、 不動産、金属製品、パルプ・紙、電気機器など8業種が上昇。

タッチパネルや太陽光銘柄が人気化、富士通3カ月ぶり安値

個別では、オリジン電気、ワコムといったタッチパネル関連銘柄が 急騰。オリジン電はNTTドコモ向けにディスプレイパネル貼り合わせ 装置を手掛けており、サムスン電子製のスマートフォンがドコモ端末と して2月26日から発売されている。このほか、太陽光発電関連株も買 われ、三晃金属工業、東洋鋼鈑、山一電機が大幅高。前日8日から住宅 版エコポイントの申請受付が始まっている。前週3-5日に開催された 第1回太陽光発電システム施工展に、山一電が出展していた。

しんきんアセットの藤本氏は、タッチパネルや太陽光銘柄の値動き について、「目先の手詰まり感から、小さい売買エネルギーでも値が動 きやすい材料株に、短期値幅取りを狙った買いが向かった格好」との見 方を示していた。

半面、既存株主に優先的に新株予約権を割り当てる手法で資本を増 強すると前週末に発表したタカラレーベンが、1株価値の希薄化懸念か ら大幅続落。前社長の辞任をめぐる経営陣内部の対立色が嫌気されてい る富士通も売りが止まらず、約3カ月ぶりの安値水準に沈んだ。公募増 資の払込期日を通過し、需給悪化への警戒が広がる池田泉州ホールディ ングスも安い。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比1.3%高の52.30、 東証マザーズ指数は0.1%安の419.99、大証ヘラクレス指数は0.7%高 の583.89と高安まちまち。個別では、自社株取得枠の上限を引き上げ たGMOアドパートナーズがストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)。 第一精工、ミクシィ、ACCESSも上昇。半面、楽天、サイバーエー ジェント、アドバンスト・メディア、日本通信が安い。

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