貸金業者の7割が貸付停止も、情報機関加盟に遅れ-寡占化へ

改正貸金業法の6月の完全施行に伴 い、中小零細を中心に貸金業者全体の7割近い約3000社が新規貸付の 停止に追い込まれる可能性があることが分かった。貸付の条件となる信 用情報機関への加盟が遅れているためだ。こうした小規模業者の撤退で 業界では大手による寡占化が一段と進む公算が高まってきた。

改正法では、過剰融資を防ぐ目的で貸金業者に利用者の年収の3分 の1以上の融資を禁じる「総量規制」を導入する。業者に政府指定の信 用情報機関への加盟を義務付け、情報を共有・一本化して1人の利用者 の借入総額を把握する。消費者金融系「日本信用情報機構(JICC)」 とクレジット・信販系の「CIC」が指定される見込みだ。

両社に加盟するノンバンクは現在計約1390社。1月末時点の登録 貸金業者は4374社で全体の68%が未加盟の状態だ。1月以降の加盟は 毎月計20-30件にとどまる上、中小零細業者の加盟手続きには「事業 実態の現地調査などで2カ月以上かかり」(CICの菅佐原健一氏)、 申請しても間に合わないケースが出てきそうだという。

一方、日本貸金業協会(小杉俊二会長)が昨年10月に公表した調 査では、貸付残高5億円以下の小規模業者の49%が信用情報機関の加入 へ「特に準備を行っていない」と回答した。また、業界全体として2008 年度の「過払い」利息返還費用を含めた営業費用が貸付残高比21%と利 息収入の14%を大きく上回り、業界の低い収益構造も判明した。

地方利用者に影響も

情報機関への加盟など規制強化が障害となり、経営体力の弱い中小 零細業者が、業務縮小に追い込まれれば、体力のあるアコムやクレディ セゾンなど大手ノンバンクによる寡占化が一段と進むことになる。改正 貸金業法では、既に強引な取り立てなどを禁止。今回は総量規制のほか、 上限金利を20%以下に引き下げる。6月18日までに施行される。

貸金業協会企画調査部の英雅之氏は、調査結果を受け「零細個人業 者は経営見通しを立てづらくなってきている」と分析。金融庁の統計に よると、08年4月に8852社あった登録業者が10年1月には4374社と 2年足らずで半減した。英氏は「大手が進出していない地域で借り入れ 先がなくなるなどの影響が考えられる」と懸念を示した。

ドイツ証券の清水純一リサーチアナリストは、「6月の規制の影響 が最も大きく、業者数が一段と減る可能性が高い」と指摘。特に業者の 純資産の下限を2000万円から5000万円に引き上げる規制は「零細には 厳しい」という。ただ、大手6社で貸付残高の75%を占めていることも あり「利用者全体に対する影響は限定的」との見方を示した。

規制強化をめぐっては、亀井静香金融・郵政担当相の指示で、検討 チーム(座長・大塚耕平金融副大臣)が改正法の完全施行を前提に、総 量規制導入などで影響を受ける利用者の混乱回避などに向け、運用面で の柔軟化策を探っている。事務局レベルで業界側の意見聴取などを経て 今月3日に初会合を開催した。

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