NY外為:円が下落-ギリシャ支援観測でリスク志向

ニューヨーク外国為替市場では、 円が大半の主要通貨に対して下落。欧州各国が必要に応じてギリシ ャを救済するとの観測が広がり、高利回り資産を選好する動きが強 まった。

ユーロは円とドルに対して上昇していたが、上げ幅を縮めた。 ギリシャのパパンドレウ首相が「節度を知らぬ投機家」を抑制しない 限り、同国の財政危機が欧州域外に広がる恐れがあると述べたこと が嫌気された。円は南アフリカ・ランドに対し6週間ぶり安値、ニュ ージーランド(NZ)ドルに対しては2週間ぶり安値に下落。サルコ ジ仏大統領がユーロ圏はギリシャを支援する用意があると述べたこと に反応した。

フィッシャー・フランシス・ツリーズ・アンド・ワッツ(ニュー ヨーク)の資産運用担当者、デービッド・ティーン氏は「市場はギリ シャのニュースでの細かいプラス材料には反応しなくなり始めている」 と分析。「リスク面では、短期的に引き続きかなり前向きな傾向が見ら れている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時19分現在、円はユーロに対し前週末 比ほぼ変わらずの1ユーロ=123円3銭。一時0.7%安の123円90 銭を付けた。前週末の5日は123円ちょうど。対ドルでもこの日、ほ ぼ横ばいの1ドル=90円26銭(前週末90円28銭)。ユーロの対 ドル相場は1ユーロ=1.3630ドル(同1.3626ドル)。一時は

0.6%上昇し、1.3705ドルを付ける場面もあった。

円はNZドルに対して0.5%安の1NZドル=63円23銭(前週 末62円92銭)。一時63円58銭と、2月23日以来の安値を付け た。対ランドでは1ランド=12円22銭。一時0.8%安の12円28 銭と6週間ぶり安値を付ける場面もあった。

ドミノ倒し

ギリシャのパパンドレウ首相は投機をめぐり、欧米諸国に対処を 呼び掛けた。

同首相は8日、ワシントンでの講演で、「目先の利益にしか価値を 置かず、広範な経済システムに与える影響をまったく無視するような 投機家に対して、欧米は『もうたくさんだ』と声を上げる必要がある」 と言明。さらに、「ユーロ危機が続けばドミノ倒し的に影響が広がり、 大規模な財政赤字を抱える他国の借り入れコストを押し上げ、世界的 に債券価格や為替レートの大幅変動を引き起こすことになるだろう」 と続けた。

円はランドやNZドルを含め主要16通貨中13通貨に対して値下 がり。サルコジ仏大統領は7日、ギリシャ政府が財政再建に苦慮した 場合はユーロ圏が同国を支援する用意があると述べた。

米国の支援

パパンドレウ首相は8日、クリントン米国務長官と会談。クリン トン長官は、ギリシャの財政赤字削減に向けた「厳しい」経済措置を 米国は支持すると述べた。

ギリシャ危機を受けたユーロの将来についての意見は割れている。 米連邦準備制度理事会(FRB) 元議長のポール・ボルカー氏は6日、 ユーロ圏にとって初めての重大な危機が比較的小さい国で起きたこと は欧州当局にとって幸運だと語るとともに、ユーロが存続すると確信 していると述べた。

ボルカー氏は「わたしはなおユーロを信じている」と明言。欧州 中央銀行(ECB)を後押しする統一した政府の欠如は「構造上の欠 陥」だとし、それが「恐らく幸運にも、対処不可能ではない資金調達 問題を抱えたギリシャのような小さい国によって試されている」と語 った。

一方、米ニュースレター「ガートマン・レター」のエディターと して知られるエコノミスト、デニス・ガートマン氏は、欧州の通貨統 合は1国がデフォルト(債務不履行)に陥れば、「あと2年もたない」 と指摘する。

ガートマン氏はブルームバーグラジオのインタビューで、「1国が デフォルトに陥ったとたん、それで終わりだ」と言明。「EUという生 地はほころんでいる」と述べた。

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