今年は差し押さえの「当たり年」か-米高級ワイン産地ナパバレー

米国産では最も高値なワインの産 地、カリフォルニア州ナパバレーのワイン醸造業界にとって、2010 年は差し押さえのビンテージイヤー(当たり年)となる可能性がある。 地価の下落や消費者の割安なワインへの移行により、業界は打撃を受 けている。

米シリコンバレーバンクによると、ナパでは今年と来年に抵当流 れか差し押さえにより最大10カ所のワイナリーやブドウ園の所有権 が移転される見通しだ。08年にはこうしたケースはゼロだった。同 行がワイン醸造業者を対象に実施した調査では、財務状態が「非常に 脆弱(ぜいじゃく)」か「生命維持装置につながれた状態」と答えた 割合が7%を占めた。

シリコンバレーバンクのワイン部門マネジャー、ビル・スティー ブンズ氏はインタビューで「ワイン醸造の顧客250業者が、今回の 低迷は過去20年で最悪と言っている。対処が遅れた業者は持ちこた えられないだろう」との見方を示した。

ナパでは約400業者がワインを生産している。コンサルティン グや融資を提供する米インターナショナル・ワイン・アソシエーツの プリンシパル、ロバート・ニコルソン氏によると、高級ワインの需要 減退などにより、ナパの地価はピークに達した07年以降、15%下落 している。

地価の下落により、特に不動産の価値が借入額を下回る場合には ローンの借り換えがより難しくなっている。

米調査会社MDAデータクイックによると、ナパのワイナリーや ブドウ園の債務不履行は1月までの1年間に4倍の18件に増加。シ リコンバレーバンクの調査では、回答者の71%が融資の獲得が一段 と困難になっていると答えた。同銀の顧客の大半は西海岸の高級ワイ ン醸造業者が占める。

ワイナリー向けにメザニン型資金融資を提供するプライベー ト・エクイティ(PE、未公開株)投資会社バッカス・キャピタル・ マネジメントのマネジングパートナー、ピーター・カウフマン氏によ ると、リセッション(景気後退)の影響で予算を気にする消費者が割 安なワインを購入するようになり、「長期的な変化」が起こっている。

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