アイスランド、英蘭との合意は来年半ば以降の公算-ムーディーズ

米格付け会社ムーディーズ・インベ スターズ・サービスは、アイスランド民間銀行の破たんに伴う英国や オランダの預金者の損失を公的資金で保護する法案の是非を問う6日 のアイスランド国民投票の否決により、アイスランドが英、オランダ 両国と同問題で合意に至るのは来年半ば以降になる公算があるとの見 方だ。

ムーディーズのシニア信用アナリスト、ケネス・オーチャード氏 は国民投票前に電話インタビューに応じ、「これは2011年半ばまで長 引く可能性がある」と指摘。「国民投票の否決は合意を難しくするだろ う」と述べた。

国民投票では93%が「アイスセーブ」法案に反対した。同法案は アイスランドが大手銀ランズバンキの破たんに端を発した英・オラン ダ両国の預金者の損失を両国からの融資で賄う内容で、アイスランド はこれが国際社会による救済を後押しすると期待していた。融資53 億ドル(約4800億円)に伴うアイスランドの負担額は同国の昨年の国 内総生産(GDP)の45%に相当し、国民1人当たりでは1万6400 ドルとなる。

ムーディーズは2月26日、この問題が解決しない場合、アイスラ ンド債の「Baa3」格付けをジャンク級(投機的格付け)に引き下 げる可能性があると発表した。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」 としている。

オーチャード氏は「近いうちに合意に至らない場合は、オランダ と英国の選挙が終わるまで先延ばしとなり、協議は今年夏以降になる 恐れがある」と説明した。

英、オランダの総選挙

英国とオランダの政治家は選挙の準備を始めており、関心は国内 問題へと向かっている。英国は6月までに、オランダは6月9日に総 選挙を実施する。

同法案をめぐり議会と大統領が合意に至らず、国際通貨基金(I MF)からの46億ドルの金融支援は不透明となり、格付け会社フィッ チ・レーティングスはアイスランドの格付けをジャンク級(投機的格 付け)に引き下げた。同業の米スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)もジャンク級への格下げの可能性を示している。

IMFは金融支援プログラムの継続とアイスセーブ問題とはリン クしていないとしながらも、資金源が保証されないと支払いは続けら れないと表明した。アイスランド救済の中心となっている北欧諸国は、 アイスセーブ問題が決着するまで融資を中断すると示唆している。

真の期限

オーチャード氏はアイスランドにとって「真の期限は国際債券の 借り換えが必要」となる来年12月であり、同月に10億ユーロ(約1240 億円)の債務が満期を迎えると説明。「現在、償還のための資金は外貨 準備で十分カバーできるが、これを充てるのは現実的とはいえない。 外貨準備が大幅に縮小してしまうからだ」と分析した。

オランダのデ・ヤーハー財務相は発表文で、法案否決に「失望し ている」と表明。一方、ダーリング英財務相は英BBC放送に、英政 府は「合理的になろうと努めた。われわれの基本的視点は、われわれ の資金を取り戻すことだ」と語った。

一方、アイスランド政府は発表資料で、過去3週間に「解決に向 け着実な進展」があったと表明した。

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