新日鉄:原料の自前確保を強化、比率50%に引き上げへ-鉄鉱石や石炭

国内最大の鉄鋼メーカー、新日本製 鉄は鉄鋼の主原料となる鉄鉱石と石炭について、自社が出資する鉱山を 増やすなどして自山鉱比率を5割まで引き上げていく。英豪系BHPビ リトンなど資源大手からの購入比率を引き下げて、コストを削減するの が狙い。

谷口進一副社長が4日、都内でブルームバーグ・ニュースのインタ ビューに応じて明らかにした。同社の鉄鉱石と原料炭の自山鉱比率は現 在それぞれ35%と25%。谷口氏は、原料コスト削減策について「自鉱 山の比率を上げる防御策しかない」と述べ、「鉱山を自ら開発すること も含め、良い案件があれば他社と共同するなどして比率を上げていく」 と語った。時期はできるだけ早くとしている。

新日鉄の自山鉱比率は国内鉄鋼大手の中では最も高いものの、鉱山 会社側の寡占化が進み、英豪系資源大手BHPビリトンやリオ・ティン ト、ブラジルのヴァーレの3大メジャーの価格交渉での影響力が強まっ ている。

新日鉄は2008年10月、JFEスチールや住友金属工業など国内鉄 鋼メーカー4社と、韓国ポスコ、伊藤忠商事の日韓連合で、ブラジル高 炉大手CSNの鉄鉱石子会社ナミザ社の権益40%(31億2000万ドル相 当)を取得している。谷口氏によると、新日鉄の鉄鉱石の自山鉱比率は 「ナミザの設備増強が終わる2013年以降は40%を超える」という。

新日鉄の株価の午前終値は前週末比7円(2.0%)高の350円。年初 来では6.7%の上昇。

価格交渉

資源大手は従来、製鉄用原料について年1回の年度契約で価格を決 めるベンチマーク方式を基本としてきたが、10年度の交渉では日本など の鉄鋼メーカーに対し、四半期ごとの価格改定など、市場価格に連動し た短期契約への見直しを要求している。

鉄鉱石の国際スポット価格の指標の一つとなるインド産の中国向 け輸出価格(鉄分63%、運賃込み)は足元で1トン当たり138ドル前後 で推移。09年度は新日鉄とリオ・ティントがベンチマーク方式で決めた 同61ドル程度が事実上の標準となった。世界経済の回復が見込まれる 中、原料需要はますます強まると谷口氏は見込んでいる。

自動車や家電メーカーとの鋼材価格交渉は、鉄鉱石や原料炭と同じ 年1回。谷口氏は、資源大手が要求する新方式が導入されると、鉄鉱石 価格によって収益が大きく左右されると指摘、「あくまでもベンチマー ク方式を支持する」と強調している。

原料炭については先週末、国内大手鉄鋼メーカーは、英豪系資源大 手BHPビリトンと三菱商事との合弁企業であるBHPビリトン・ミツ ビシ・アライアンス(BMA)との価格交渉で決定方式の見直しで合意 した。4-6月に限定した輸入価格を決定。1トン当たり09年度に比 べ55%の大幅値上げを受け入れた。

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