米国債が地方債の地位奪う-地方財政悪化と優位性喪失で

地方債の投資家が米国債の保有を 積み増している。米国の州・地方自治体の財政悪化と、発行する免 税債の優位性が失われつつあることが背景となっている。

格付け「AAA」で期間3年の地方債の利回りは先月、同年限 の米国債の66%と、ブルームバーグが集計を開始した2001年以来 の低水準付近となった。同比率が60%に近づいた場合、連邦税ブ ラケットが38.3%の米国民にとって利子所得への課税が免除され る地方債に投資する利点はすべて失われることになる。

全米知事会の調査によると、州や地方自治体は財政赤字が過去 最大となる推定185億ドル(約1兆6700億円)に達しており、財 政赤字補てんに向け増税を進めている。短期の米国債相場は、これ まで免税債に投資していた人たちの購入拡大で、上昇が持続する可 能性がある。短期国債はソブリンの信用懸念を逃れるようとする動 きや、金融機関の購入増加ですでに好影響を受けている。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのパートナー兼最高投資責任 者(CIO)のジェフリー・ショーンフェルド氏は「多くの地方自 治体が最近発行した債券の質などを考えると特に、米国債はより安 全で流動性が高い投資先だ」と語り、「この低金利の状況で短期国 債は大幅に上昇し、税引き後ベースで非常に高い価値になる可能性 がある」と述べた。

州・地方自治体が課税債券を発行する場合に、利払い負担の 35%相当を連邦政府が負担する内容のオバマ政権提唱の「ビルドア メリカ債」プログラムも、米国債に比べ地方債の魅力を低下させる 要因となっている。

リターンの比較

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数による と、期間1-3年の米国債のリターンは昨年12月以降0.78%。09 年は0.79%だった。一方、同年限の州・地方自治体の債券は昨年

4.2%だったが、今年は0.57%にとどまっている。

米国債相場は先週、下落した。同国労働省が発表した2月の雇 用統計で、非農業部門雇用者数が前月比3万6000人減と、落ち込 みが予想以下にとどまったことが影響した。2年債利回りは4ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.85%だった。

地方債の割高感が高まった時期は、投資家がほぼゼロ金利の非 課税のマネー・マーケット口座にある短期資金を長期債に投じた時 期と重なっている。

スタンディッシュ・メロン・アセット・マネジメントで資産運 用に携わるクリスティーン・トッド氏は「地方債への需要は、多額 の資金を前にどうすべきか迷っていた小口投資家からのものがほと んどだ」と指摘。「AAA格付けの地方債は米国債と比べて割高だ」 との見方を示した。

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