債券は反落、景気懸念薄れ株上昇、米債安-あすの30年債入札も重しに

債券相場は反落(利回りは上昇)。 前週末の米国市場で、2月の雇用統計が予想ほど悪化しなかったこと を受けて株高、債券安となった流れが継続。国内経済指標の改善も加 わり、日経平均株価は続伸しており、円債市場は売り優勢となった。

みずほインベスターズ証券の落合昴二チーフマーケットエコノミ ストは、「週末発表の米雇用統計を受けて、米国債利回りが上昇した影 響を受けた。国内の景気ウオッチャー調査も良かったため、先行きの 景気に自信を回復しており、債券相場の上値を重くした」と述べた。

東京先物市場の中心限月3月物は、前週末比11銭安の140円8銭 で始まった。直後に15銭安の140円4銭まで下げたが、その後は下落 幅を縮め、午前9時半過ぎに横ばいの140円19銭まで戻した。午後は 140円10銭付近で推移して、結局は7銭安の140円12銭で終えた。

前週末の米国市場で株高、債券安となったことが円債の売り材料 となった。5日の米株式相場は上昇。米雇用統計で雇用に対する懸念 が薄らいだことを手掛かりに買いが優勢だった。半面、米国債相場は 下落し、米10年債利回りは3.68%に上昇した。米労働省が5日発表 した2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比3万6000人減 少と、ブルームバーグ予想(6万8000人減)より減少幅は小さかった。

国内指標も改善した。内閣府が8日発表した2月の景気ウオッチ ャー(街角景気)調査によると、景気の現状判断DIは42.1と、1月 の38.8から上昇し、3カ月連続改善となった。景気期待で日経平均株 価は大幅続伸。216円96銭高い1万585円92銭で取引を終了した。

もっとも、債券先物の下げは小幅となった。日興コーディアル証 券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、「3月物は140円を割れる かとみていたが底堅い」と指摘。16、17日に日銀金融政策決定会合を 控えており、「日銀による追加緩和期待があって下値も底堅い」とみず ほインベスターズ証の落合氏は説明した。

10年債利回りは一時1.32%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の306回債利回 りは、前週末比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.31%で始まった。 その後は徐々に水準を切り上げ、一時は1.5bp高い1.32%まで上昇。 午後2時45分前後からは1bp高い1.315%で推移している。午後4時 31分現在でも1.315%で取引されている。

9日に30年債入札を控えて超長期債も安い。新発20年債利回り は一時2bp高い2.14%、新発30年債利回りは0.5bp高い2.325%ま で上昇した。RBS証券の徐瑞雪ストラテジストは、「あすに30年債 入札があるので、超長期債は調整の動きで重い展開」という。

30年債入札、クーポン2.3%か

財務省はあす9日に30年利付国債(3月債)の入札を実施する。 表面利率(クーポン)は前回入札された31回債より0.1ポイント高い

2.3%が予想されている。発行予定額は前回債と同じ6000億円程度。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、今回の入札に ついて、クーポンは2.3%に引き上げられるのではないかと予想する。 「超長期ゾーンの需給は緩和気味だが、回号が新しくなるので、新発 債に対するニーズで何とか消化できるのではないか」という。

30年債入札は、2月から初めて3カ月連続で実施されることから、 供給過多で荷もたれ感が出るとの見方もある。ただ、三菱UFJ証券 の稲留克俊債券ストラテジストは、弱めの入札でも押し目は確実に買 いを入れる方針で臨みたいという。稲留氏は「生命保険のここ数年の 季節パターンになっている年度末の超長期の円債買いが例年以上に強 まる可能性がある」との見方も示した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE