2月のM3は2%増と伸び率鈍化-マネーの動きに変調も(Update2)

日本銀行は8日、2月の通貨供給 量「マネーストック統計」を発表した。代表的指標である「M2」の 月中平均残高は前年同月比2.7%増加した。ゆうちょ銀行などの預貯 金を加えた「M3」は同2.0%増だった。いずれも前月から伸びが鈍 化しており、マネーの動きに変調の兆しが出ている。

M3の前年比の内訳をみると、現金通貨は1.0%増と前月(0.5% 増)から伸び率が高まった一方で、預金通貨は0.9%増と前月(1.3% 増)から伸びが大きく鈍化した。定期預金など準通貨は2.6%増、譲 渡性預金(CD)は11.4%増と、ほぼ前月から伸びは変わっておらず、 預金通貨の伸び率鈍化が全体の足を引っ張った格好だ。

日銀調査統計局の鈴木純一企画役は「企業が手元流動性を厚めに 持つ動きは大きくは変わってないとみているが、個人の預貯金が比較 的小幅の動きをすることを考えると、一般法人の手元流動性の動きが 何がしか反映している可能性がある。手元流動性を厚めに持とうとす る一般法人の動きに幾分変化があるのかもしれない」としている。

M3は季節調整済み前月比年率でも0.6%増と、前月(2.0%増) から大きく伸びが鈍化した。日銀は1月までのM3預金保有者別内訳 を公表しているが、ここでもマネー変調の兆しがうかがわれる。個人 が1.6%増と前月から伸びが変わらなかった一方で、一般法人は4.5% 増と前月(5.0%増)から伸び率が大きく鈍化した。

実質預金+CDは堅調な伸び

日銀が同時に公表した2月の貸出・資金吸収動向等では、実質預 金+CDが2.9%増(前月は3.0%増)と引き続き高めの伸びを維持し ており、金融機構局の清水誠一参事役は記者説明で「企業が手元資金 を厚めに持とうとしていることが基本的な背景」と述べた。これには 2つの統計が対象としている金融機関の違いも影響している。

実質預金+CDは都銀、地銀、第2地銀が対象で、残高は532兆 円。これにゆうちょ銀行などを加えた3業態・その他計は1.4%増(前 月は1.6%増)と伸び率鈍化の程度が大きい。M3はさらに信用金庫 など中小金融機関も含んでおり残高は1063兆円。日銀の鈴木氏はマネ ーの伸び率鈍化の一因として企業の動きに変化があることを示唆する 一方で、その背景については「確たることは言えない」としている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想調査ではM2は同

2.8%増、M3は同2.0%増が見込まれていた。HSBC証券の白石誠 司チーフエコノミストは統計発表前、「2月のマネーストックは、前 年同月の伸びが高かったことを踏まえ、前年比伸び率が小幅に鈍化す る」として、M2は同2.8%増、M3は同1.8%増を予想していた。

日銀は2008年5月分の通貨供給量から統計内容を見直すととも に、名称をマネーサプライ統計からマネーストック統計に変更した。

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