【今週の債券】長期金利1.3%前後か、緩和観測が支え-米金利高警戒

今週の債券市場で長期金利は1.3% 前後での推移が予想されている。日本銀行による追加金融緩和観測の 高まりが前週に続いて相場の支えとなる可能性が高い。半面、週末の 米国市場では雇用情勢への懸念が薄らいで債券が売られており、日本 の長期金利の低下余地も乏しいとみられる。

三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、今週の債 券相場について、「堅調な中期債に促されて、長期債も底堅い展開にな ると予想するが、10年債利回りの1.3%割れの水準は買い進みづらい 面もある」との見方を示した。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグが5日までに市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは全体 で1.25%から1.35%となった。前週末の終値は1.305%。

前週の長期金利は1.3%台前半を中心にもみ合ったが、期間の短 い中期債利回りは今年の最低水準まで達した。日銀による追加緩和観 測が高まり、金融政策変更の影響を受けやすい中期ゾーンの金利低下 が大きくなったためだ。5日付の日本経済新聞朝刊が、日銀が追加金 融緩和策の検討に入ったと報じたことがこうした観測を促した。新発 2年債利回りは0.14%、新発5年債利回りは0.465%といずれも昨年 12月30日以来の低水準となった。

日銀の金融政策決定会合は16、17日に開催されることから、今週 いっぱいは追加緩和に対する憶測で中期ゾーンには買いが入りやすい。 三井住友海上火災の高野氏は、国債の利回り曲線について、中短期ゾ ーンの金利低下に伴い長期ゾーンとの格差が拡大する、ブル・スティ ープニングしやすいと予想している。

金利低下余地乏しいとの見方

もっとも、中期債利回りが昨年末以来の水準に達したことで低下 余地も乏しい。損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニ アインベストメントマネジャーは、5年債利回りについて、「水準的に

0.47%近辺からは低下余地も限られる」とみている。

前週末の米国債市場では、2月の雇用統計で非農業部門の雇用者 数は前月比3万6000人減と減少幅は予想(6万8000人減)より小さ かったことから長期金利が3.68%程度に上昇した。連動性の高い日本 の長期金利も週初には上昇圧力がかかりやすい。

今週発表される指標では10日の機械受注統計、11日の昨年10- 12月期実質国内総生産(GDP)の2次速報が注目される。ブルーム バーグ調査によると、1月の機械受注は前月比3.5%減と、昨年12月 (20.1%増)の反動減となる見通し。10-12月期の実質GDPは前期 比1.0%増、年率換算4.0%増と、1次速報値(1.1%増、4.6%増)か ら下方修正される見通しだ。

損保ジャパン・アセットの平松氏は、「機械受注は前回が良すぎた ので今回は減少だろう。実質GDPは小幅な下方修正が予想されてお り、設備投資がマイナスとなれば債券の買い材料になる」とみている。

30年、5年債入札とも波乱なしか

需給面では、9日に30年債入札、11日には5年債入札が行われ る。このうち30年債入札は、2月から初めて3カ月連続で実施される ことから、一部に供給過多で需給が悪化するとの見方がある。しかし、 シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、「今月の債券 インデックス(指数)の長期化や年度末の需要などを踏まえると、最 終的にそうした懸念は払しょくされて、入札も無難ではないか」とい う。

一方、5年債入札は順調な結果が見込まれている。表面利率(ク ーポン)は前回債と同じ0.5%が有力。発行額は2兆4000億円程度。 三井住友海上火災の高野氏は「5年債入札は、0.5%クーポンで順調だ ろう」という。

市場参加者の予想レンジとコメント

5日までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。 先物は6月物、新発10年国債利回りは306回債。

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物6月物139円00銭-139円80銭

新発10年債利回り=1.26%-1.34%

「金利低下の基調が維持されそう。追加金融緩和の憶測が広がっ たことにより、投資家から資金消化を狙った買いが出やすい。本来だ と投資資金の受け皿となる短中期債の金利低下が進んだだけに、10年 債など長期ゾーンにも買いがにじみ出る。5年債入札も新しい銘柄と なって0.5%前後の利回り水準であれば波乱はないとみている」

◎損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベスト メントマネジャー 先物6月物138円90銭-139円70銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「長期金利は1.3%前後で小動き。日銀が今月に追加緩和を行う のであれば時間軸効果が力強いものとなるので、5年債には買い安心 感がある。ただ、水準的に0.47%近辺では低下余地も限られるため、 過熱するとも思えず、5年入札は無難ではないか。指標では景気ウオ ッチャーが注目だ。景況感が落ちた後に最近上昇しており、足元を見 極めたい」

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物6月物138円80銭-139円60銭

新発10年債利回り=1.28%-1.35%

「相場は中期債を中心に堅調。利回り曲線はブル・スティープニ ングしやすい。今月下旬の国債大量償還を控えて、投資家は日銀の追 加緩和で一段と金利が低下することへの警戒感も出てきた。5年入札 は0.5%クーポンで順調だろう。中期債に促されて長期債も底堅い展 開を予想するが、10年の1.3%割れは買い進みづらい面もある」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors:Takeshi Awaji,Keiichi Yamamura

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