KKRの苦戦で浮き彫りになったインフラファンドの低迷-各社も同様

米プライベートエクイティ(未公開 株、PE)投資会社KKRは、有料道路や港湾、パイプラインへの投 資グループを設立した2008年当時、先行きに多大な期待を抱いていた。 最大40億ドル(約3570億円)の資金調達を目標に掲げ、さらにレバ レッジド・バイアウト(LBO)としては過去最大規模の電力会社T XU買収を手掛けたジョージ・ビリシック氏を投資銀行ラザードから 引き抜いて、インフラ投資の責任者に据えた。

KKRの共同創業者、ヘンリー・クラビス、ジョージ・ロバーツ 両氏は当時、「インフラは、数兆ドル規模の世界市場であり、民間投資 を大いに必要としている」と語り、インフラファンドはKKRのLB O事業の「論理的な延長線上に位置する事業」と説明していた。

ところが、ブルームバーグ・ビジネスウィークの3月15日号掲載 記事によれば、同ファンドの立ち上げから約2年経ってもKKRはい まだに大口投資家を公表していないばかりか、インフラ買収も実現し ていない。責任者のビリシック氏はわずか数カ月でラザードに戻って しまった。同様のファンドを創設した他社も同じような状況だ。米投 資会社ブラックストーン・グループは投資家を引き付けるため、傘下 ファンドの手数料を引き下げた。ドイツ銀行や米銀大手シティグルー プも苦戦を強いられている。

インフラ予算不足

KKRなどはインフラファンドを、2007年半ばから昨年にかけて 従来型のLBOに打撃を与えた景気低迷にも比較的強い収益構造を持 つ投資手段とみている。同ファンドは、劣化が進むインフラ維持を望 む州や市に資金を提供する。ただ、バージニア州の米国土木学会によ ると、地方公共団体が向こう5年間に必要となる資金と実際の予算見 通しの間には1兆1000億ドルの開きがある。

ロンドンの調査会社プレキンによれば、投資家の新規ファンドへ の関心の薄れや銀行融資の厳格化を背景に、インフラ案件の取引は昨 年、4年ぶりの低水準の130件に落ち込んだ。PE投資会社の昨年の 調達額は全戦略を合わせて2460億ドルと、05年以降で最低だった。

KKRとブラックストーンは、インフラ投資を実現させようと専 心しており、企業経営に関する専門知識がファンドを成功に導くと確 信していると述べている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE