エーザイ株が1年超ぶり高値、がん領域の構築は着々-減益想定せず

医薬品国内4位のエーザイ株が一時、 前日比2%高の3525円と反発。2009年1月9日以来、約1年2カ月 ぶりの高値を付けた。中期経営計画の目標数値が4日に下方修正され たが、がん領域を成長の柱とする戦略は着実に進展しているため、ア ナリストなどの評価を受けた。

エーザイCEO(最高経営責任者)の内藤晴夫氏は4日夕の記者 懇談会で、「何としてもオンコロジー(がん領域)に本格進出したいと の強い企業の強い意志を、戦略的なアクイジション(企業買収)とレ バレッジで実現できた」と述べ、2006年度-11年度の5カ年中期経営 計画は成功裏に進んでいる、と胸を張った。

同社は、中計期間中にライガンド、モルフォテック、MGIの米 医薬品企業を相次ぎ買収、1987年以降の自社研究の成果も加わり、が ん領域で1000億円の売り上げを計上できる規模を確保した。現状は連 結売上高の約10%に過ぎないが、内藤社長は開発中の新薬の状況など を勘案、「2013年度に2000億円、連結売上高の23%を目指す」と言う。

野村証券の漆原良一シニアアナリストは4日付の投資家リポート で、「がんに注力する事業構造への転換はうまく進んでおり、アリセプ ト(同社の主力製品で認知症治療薬)の特許切れを抗がん剤などで補 完でき、減益局面を想定していない経営姿勢は評価すべき」と指摘、 投資判断「1(買い)」と目標株価4300円を継続した。

業界トップの武田薬品工業や同2位のアステラス製薬が主力薬の 特許切れで利益成長が見込みにくいのに対し、エーザイは利益創出に こだわっている点を漆原氏は評価、「大手の中計が出そろった段階で、 エーザイの中計は評価される」との認識を示した。

会社側が4日に公表した11年度(2012年3月期)の連結業績目 標値は、売上高が8100億円(従来は1兆円)、営業利益が1050億円(同 2000億円)。為替前提を1ドル=110円から90円に変更したことで730 億円の減収となる上、中計策定時には想定していなかったMGI買収 でのれんの償却280億円が利益を下押しする。

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