東京外為:円が下落、日銀の追加金融緩和観測で-米雇用統計に注目

【記者:小宮弘子】

3月5日(ブルームバーグ)東京外国為替市場では円が下落した。 日本銀行の追加金融緩和観測を背景に円高圧力が緩和するとの見方が 強まった。

円は対ドルで1ドル=89円ちょうど前後から一時、89円38銭近 辺まで売られた。対ユーロでは1ユーロ=120円台後半から121円40 銭まで値を下げた。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、円の 下落について「日銀の追加金融緩和の話や、数字的には大したことな いが介入資金の借り入れ限度枠引き上げの話が出ている。3カ月物L IBOR(ロンドン銀行間取引金利)も日米で逆転してきており、個 人的にドル・円は転換点に来つつあるのかなという気がしている」と 話していた。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.35ドル台後半でもみ合 う展開。前日の海外市場ではドイツ銀行の格下げやギリシャ救済問題 をめぐる不透明感から1.35ドル台半ばまでユーロ売りが進んだが、 注目の米雇用統計の発表を前に、東京市場では様子見姿勢が広がった。

日銀の追加金融緩和観測

5日付の日本経済新聞朝刊は、日銀が追加の金融緩和の検討に入 ったと報じた。4月にかけて期間1年以下の短期金利の一段の低下を 促すことを軸に、資金供給手段の拡充などを本格的に協議するとして いる。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、日銀の追加金融 緩和について、昨年12月に導入した新たな資金供給手段の影響力を みても、円高に歯止めをかける一定の効果が期待されると指摘。今後、 ギリシャ問題などの悪材料によりリスク回避的な円高圧力が強まる局 面では「金融緩和期待が高まるという読み」が出て、ドル・円の下支 えにつながるとみている。

追加金融緩和観測を背景にこの日は円建て短期金利が低下。4日 には3カ月物円建てLIBORが0.251%まで低下し、昨年8月以来、 初めてにドル建てLIBORを下回った。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 5日発表の2月の米雇用統計では非農業部門就業者数が前月比6万 8000人減少するとみられている。失業率は9.8%と前月から0.1ポ イント悪化する見通しとなっている。

野村証券金融市場部次長兼為替課長の前波弘氏は「日経報道を受 け円安、株高になっていることに加え、米雇用統計が大雪の一時的な 影響で悪化する見込みであることを市場がほぼ織り込み、米債金利が 反転気味になっていることがドルの買い戻しにつながっている」と解 説。また、「雇用統計前のポジション調整の流れ」とした上で、「仮に 市場予測に反し、米雇用統計が改善を示せば、ドル・円の90円台乗 せもある」と指摘している。

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