エア眼鏡人気で150万本達成視野のJIN、ユニクロ学び業績増額も

駅ビルやショッピングモールで低価 格の眼鏡店を展開するジェイアイエヌは、前期から6割以上増やした 今期の販売目標を達成しそうだ。明瞭な価格設定とテレビCMの活用 で集客に成功、既存店売上高は前年を上回る状況が続く。1日からは 人気アイテムの第2弾商品を投入、業績上振れへ道筋も見えてきた。

JINでは、今期(2010年8月期)の眼鏡販売本数を前期から60 万本増やし、150万本を予想している。中村豊専務はこのほどブルー ムバーグとのインタビューで、「この計画を達成できそうだ」と述べた。

主力業態の「ジンズ」の既存店売上高は、09年9月から今年1月 までの累計で前年同期比41%増。今期の会社側計画の14%を大きく上 回り、前期同時期の8.1%減だった状況から一変した。テレビCMの 積極展開で知名度は増したが、広告終了後も販売は好調を維持、「口コ ミでも知名度が向上した」と中村氏は振り返る。

JINの今期の単独売上高計画は前期比21%増の89億9000万円、 営業利益は同73%増の2億5000万円、最終損益は6800万円の黒字で、 前期の1900万円の赤字から3期ぶりの最終黒字化を見込む。中村氏は、 「会社側の数字は保守的。販売状況は非常に良い手ごたえ」と話し、 上振れの可能性を示唆している。

柳井氏との出会い

同社は2年前までファッション性重視のデザインを追求、広告も 専門雑誌中心の展開を図ってきたが、業績は悪化し、人員削減などリ ストラを迫られた。この流れを断つきっかけになったのが、カジュア ル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会 長兼社長の存在だ。柳井氏から「事業価値は何か」という質問を受け た同社の田中仁社長は、答えに窮した。

流行を取り入れる一部の人へのこだわりを捨て、眼鏡を使うすべ ての人にサービスを展開する路線に変更。「良い商品でも、顧客が知ら なければだめ」という柳井氏のアドバイスでテレビCMも始め、足元 の好業況につなげている。CM効果で客層開拓にひと役買ったのが「エ アフレーム」で、重さ11グラムと前回から4グラム軽量化させた第2 弾商品の販売を1日から開始、販売目標を30万本程度に据えた。

「ジンズ」の2月末時点の店舗数は68で、新規出店は上期(09 年9月-10年2月)に5、下期(10年3-8月)計画は3店舗。来期 もショッピングセンターや駅に近いビルを中心に、15-20店舗の新規 出店を予定している。

眼鏡業界向け専門誌「眼鏡DB」によると、個人消費の不振と厳 しい格競争で2008年の眼鏡小売市場の規模は4400億円と前年から

5.6%減った。上場眼鏡小売各社の09年3月期の販売本数は、売上高 トップの三城ホールディングスが約110万本、韓国の人気俳優をCM に起用したメガネトップが約200万本。市場縮小、競合が月次販売の 低迷に苦しむ中、JINは販売本数の増勢は急ピッチだ。

競合圧倒する株価推移

JINに対する株式市場の注目は昨年から高まり、株価は09年に

8.4倍と国内新興3市場で上昇率3位になった。上期決算が見えてき た今年2月中旬以降に再び上昇基調を強め、3月1日には一時540円 と2年7カ月ぶりの高値を更新。競合各社と対照的な値動きを見せる。

ファンドクリエーション投信投資顧問の黒田毅シニアファンドマ ネージャーは、「価格が安く、薄型レンズという機能性の高さもあり、 デフレ下では人気が高まりそう」と指摘。既存店売上高の大幅な伸び が「1年を超えてくるようなら、これからさらに半年から1年近く業 績が拡大する可能性がある」と見る。

2月26日に投資判断を最上位の「1(買い)」に新規設定した野 村証券の西木慶一郎アナリストは、「低価格帯を導入して時間が経つが、 他社が追随しづらく、依然として価格優位性が強い」と評価。SPA (製造小売業)業態という強みを生かし、「顧客のニーズに似合うデザ インが手掛けやすいことも、強さの背景」という。

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