ECB:「出口戦略」を進行-IMFはギリシャ救済に不適

欧州中央銀行(ECB)は、金融 危機対策で導入した緊急措置の一部を段階的に引き揚げる。トリシ ェ総裁はまた、4日の政策委員会後の記者会見で、国際通貨基金 (IMF)がギリシャを救済するのは適切ではないとの見解を示し た。

ECBは定例の3カ月物資金のオペを、危機前と同じ変動金利 での入札方式に戻す。主要オペの7日物オペでは固定金利入札で応 札額全額の供給を続ける。主要な短期金利調節手段であるオペの最 低応札金利は1%に据え置いた。

トリシェ総裁は「ユーロシステム(ECBとユーロ圏各国中銀) はユーロ圏の銀行システムに対し、非常に有利な条件での流動性支 援を続ける」と表明した。ギリシャについては「IMFを支援の提 供役とすることが適切だとは思わない」と述べた。

ECBは危機に際して供給した流動性の過剰な部分を、投資家 に不安を与えることなく金融市場から吸収したい考えだ。投資家は 既に、ギリシャの財政赤字問題によってユーロ圏の景気回復が阻害 されることを懸念している。欧州連合(EU)首脳らは、各国から の金融支援なしにギリシャに赤字問題を解決させようと図っている。

ECBはまた、危機対策の一環として購入したカバードボンド を市中銀行に貸し出すことも発表した。ギリシャ問題が金融市場を 揺るがし、財政難のスペインやポルトガルの国債利回りも上昇した が、ECBは危機モードからの出口戦略を堅持している。同中銀は 昨年12月、まず1年物資金供給を終了することで危機対策の解除を 開始した。

INGグループのエコノミスト、カールステン・ブルゼスキ氏 (ブリュッセル在勤)は、ギリシャという障害物がECBの「出口 戦略」を失速させかねないと指摘していた。

トリシェ総裁は、7日物オペで全額供給を続けることから、ユ ーロ圏の翌日物銀行間金利であるユーロ翌日物無担保金利加重平均 EONIA)が近い将来に大きく上昇することはないと指摘した。 EONIAは危機前には通常、ECBの政策金利を上回っていたが、 現在は0.319%(政策金利は1%)。

このほか、ECBは最終となる6カ月物資金について、金利を 融資期間における政策金利の平均とすると発表した。融資の満期ま でにECBが利上げをすれば、金利は1%を上回ることになる。ト リシェ総裁は、この決定を利上げが近いというシグナルと解釈する べきではないと強調した。

物価については、インフレ圧力は弱い状態が続く公算だとし、 ECBの政策金利は現時点で「適正」だと言明。政策委員会は早急 に利上げをする意向がないことを示唆した。

ECBはこの日、経済成長率見通しを引き上げた。2011年の成 長率を1.5%前後、10年を0.8%と予想している。インフレ率は今年 が平均1.2%、11年が1.5%の見込み。ECBは2%弱を政策の目安 としている。

ユーロは、導入来最大の危機に見舞われている。資産家のジョ ージ・ソロス氏は2月28日に、統一通貨が危機を「生き残れないか もしれない」と発言した。ギリシャは3日に財政赤字削減の追加措 置を発表した後、EUに金融支援の表明を迫っている。パパンドレ ウ首相はEUが行動しないならばIMFの支援も選択肢だとし、パ パコンスタンティヌ財務相は4日、EUが支援パッケージの概要を 示し、「団結を形にして示す」べきだと主張した。

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