野田日銀委員:現時点で政策判断を変える必要一切ない

日本銀行の野田忠男審議委員は4 日午後、大津市で会見し、「1月の決定会合あるいは2月の決定会合で 申し上げているような政策運営方針について、現時点で何か変えなけ ればならないということは一切ないと判断している」と述べ、3月16、 17日の金融政策決定会合での追加緩和に否定的な見方を示した。

山口広秀副総裁は先月24日、鹿児島市内で会見し、消費者物価指 数の動向について「下落幅の縮小ペースが少し鈍いかなという印象を 私自身持っている」と述べた。野田委員は「1月の会合で展望リポー トの中間評価を行い、物価上昇率の見通しの中心値と幅を示した。ど なたかはそういうふうにご覧になっているのかもしれない」と述べた。

その上で「個人的に言えば、物価の下落率の幅がここにきて、1 月の想定から大きいとか小さいとかはっきり申し上げるほどの動きは 今のところ私自身、観察できていないというのが偽りのないところだ」 と述べ、現時点で政策判断を変える材料はないとの考えを示した。

菅直人副総理兼財務相は1日の衆院財務金融委員会で、消費者物 価指数は「今年いっぱいくらいには何とかプラスに移行してもらいた い」と述べた。野田委員は「私も今年中にそういう状況になればいい なと思っている。希望としてはそういうことだが、今後の政策をどう するかということについて言えば、希望とわれわれが想定している見 通しには差がある」と述べた。

追加緩和の効果は限定的

1日の同委員会では、菅財務相が年内に物価上昇率をプラスにす るため日銀も「より努力をお願いしたい」と要請。亀井静香金融・郵 政担当相も「直接国債を引き受けて財源を作るということをやったら 良い」と述べるなど、16、17日の決定会合を前に圧力が強まっている。

野田委員は会見で、新型オペの期間を6カ月に延ばす可能性とそ の効果について問われ、「少し長いターム物についても、政策金利で ある0.1%に限りなく近づいている。金利水準だけで判断するという ことになると、仮に今後緩和措置を取ったとしても、限界的な効果は かつてよりは小さくなっているだろうということははっきり言える」 と言明。追加的な金融緩和の効果に疑問を呈した。

仮に物価上昇率が見通しを大きく下回った場合には追加緩和を行 うのか、という問いに対しては「政策判断は物価だけを見て判断して いるわけではない。物価が仮に私の見通しから相応に外れることがあ っても、それで直ちに金融政策の変更につながるかと聞かれれば、そ れはノー(NO)と言わざるを得ない」と述べた。

物価安定の一段の明確化にも否定的

さらに「少し長い目で見た中長期的な実体経済の足取り、足元の 振れとは別の中長期的な物価の動きもあらためて点検して、それが現 時点で考えているよりも一定以上変化しているという状況に至って初 めて、政策変更についての議論がスタートする。私はそういう理解を している」と語った。

物価上昇率が1%になるまでゼロ金利を解除しないといったコミ ットメント(約束)を行うことについては「われわれが注目しなけれ ばならない中長期のリスクとして、金融緩和が長期化することによっ て不均衡がどこかに蓄積していないかも重要視している。コミットメ ントを強化することはそうしたリスクを招きかねない」と言明。物価 安定の考え方を一段と明確化することにも否定的な見方を示した。

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