中国:全人代が5日開幕-温首相の経済不均衡是正策に限界も

中国の温家宝首相は国内経済の成長 軌道は「不均衡でまとまりにかけ、持続不可能」との認識を示してい るが、今週開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、 温首相による経済の軌道修正は難しいことが判明するかもしれない。

温首相(67)は北京で5日開幕の全人代で政府活動報告を行うが、 不均衡是正に向けた一部の措置については、地方政府当局者や企業幹 部らから異論も出そうだとアナリストらは指摘している。

広告会社APCOワールドワイドの北京在勤シニアカウンセラー、 ジム・マグレガー氏は、温首相や胡錦濤国家主席ら指導者の任期が終 わりに近づきつつあることが指導部の求心力低下を加速していると指 摘。「彼らの任期は残り2年半であり、ポスト争いが本格化している」 との見方を示した。

温首相は消費よりも投資や生産、輸出を重視した中国の成長モデ ルが経済的なひずみを生み出していると述べている。2月27日にはウ ェブキャストを通じ、中国政府は昨年の融資拡大であおられた不動産 価格とインフレの抑制を目指しているが2010年は「中国経済にとって 最も難しい年」になるとの見解を示した。

借金で増幅したバブル

温首相のこうした懸念に米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授 も共感しており、2月23日には「借金で増幅したバブル」が崩壊すれ ば、中国の経済成長率が昨年の8.7%から2%に落ち込む恐れがある と警告している。

国際通貨基金(IMF)は、中国が10年に日本を抜き世界2位の 経済大国に浮上すると予想している。エコノミスト40人の予想中央値 では10年の成長率は9.5%に達する見通し。

UBSの北京在勤エコノミスト、王濤氏はインタビューで「今改 革が必要だ」と述べ、「後になるほどコストは高くつく」と語った。

王氏らエコノミストは、対策の一つとして中国の地方政府にきち んと税収をもたらす税制改革を挙げている。不動産税や売上税の導入 により、地方政府は不動産投機を助長したとされる土地売却などへの 依存から脱却できるが、王氏によると「反対意見が非常に多いため」 今年の全人代ではこうした措置は議題に上らないという。

CLSAアジアパシフィック・マーケッツ(香港)によると、温 首相は代わりに所得格差解消に向けた措置を発表する公算が大きく、 最低賃金引き上げや貧困層の住宅関連支援策などを盛り込む見込み。 こうした措置は消費を促進し経済のひずみを是正につながるが十分で はないと王氏は述べている。

--Michael Forsythe. With assistance from Stephen Engle and John Liu in Beijing. Editors: Anne Swardson, Ken Fireman

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