ユーロ反落、ギリシャ財政再建策の実現性不透明―ECB会合見極め

東京外国為替市場ではユーロが反 落。ギリシャ政府が発表した追加財政再建策の実現性に不透明感が残 る中、この日開かれる欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会を見 極めたいとの意向も強く、ユーロ買いには慎重姿勢が広がった。

ユーロは対ドルで一時、1ユーロ=1.3653ドルまで下落。前日 の海外市場では2月17日以来、2週間ぶり水準となる1.3736ドル までユーロ高が進んだが、この日の東京市場ではじりじりとユーロが 水準を切り下げる展開となった。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏 は、前日のユーロの上昇について、「出たのはストップ(損失を限定 するためのユーロ買い注文)で、ギリシャの追加赤字削減策に対する 反応は限定的だった」と説明。「削減策については実行性があるかど うか非常に疑問だ」とした上で、「ECBに対する警戒感もあり、今 はいったん利食い(利益を確定するためのユーロ売り)になっている」 と話す。

ユーロ・円相場も前日の海外市場で1ユーロ=121円74銭まで ユーロ高に振れる場面が見られたが、この日の東京市場では121円 ちょうどを割り込み、午後には120円34銭まで値を切り下げた。

一方、ドル・円相場は1ドル=88円台半ばでのもみ合いが続い ていたが、午後には対ユーロで円買いが強まった影響もあり、88円 14銭と昨年12月10日以来のドル安・円高水準を付けた。

ギリシャの追加財政再建策

ギリシャのパパンドレウ首相は3日、追加財政再建策は同国に求 められていたすべてを満たして余りある内容だとし、今こそ欧州連合 (EU)が行動する時だと述べた。また、「EUが立ち上がらず、市 場がその投機的な態度のためにわれわれが望むように反応しない場合、 国際通貨基金(IMF)が最後の手段となる」と語った。

パパンドレウ首相はEUからの追加的な赤字削減要求に応じて、 燃料やたばこ税、付加価値税の増税と、公務員への上乗せ報酬の 30%減額などを含む48億ユーロ(約5800億円)規模の追加措置を 発表。ただ、緊縮財政は国内で反発を招くリスクがあり、公務員の労 組は4日にアテネで抗議行動をすると表明している。

一方、ドイツのメルケル首相は、5日に予定されているパパンド レウ首相との会談は「支援を協議するものではない」と言明。ラガル ド仏財務相もユーロ圏諸国がギリシャの金融危機の解決を手助けする ために、資金を供与する理由はないとの認識を示した。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、「メル ケル首相や周辺諸国の発言を受け、市場ではEU加盟諸国からギリシ アへの金融支援に懐疑的な見方もあるようだ。実際、ギリシアの問題 は根が深く、財政赤字の削減はこれからが正念場との見方が支配的。 ユーロへの信任回復にはなお時間を要するため、本格的なユーロの買 い戻しにはつながりにくくなっている」と指摘している。

ECB

ギリシャの財政赤字削減が難航し、ユーロが10カ月ぶりの安値 近辺にとどまる中、ECBはこの日の会合で、国際金融危機に歯止め をかけるために導入した緊急措置について解除を遅らせるべきかどう かを協議する見通し。政策金利については過去最低の1%に据え置く と予想されている。

斎藤氏は、「ECBは前回の声明で3月4日の会合が出口戦略の キーポイントになると言っているが、どちらに転ぶかわからない。た だ、前日にギリシャの追加措置が出たというタイミングを考えると出 口戦略を打ち出す可能性があり、その場合はユーロの買い戻しが再び 強まる可能性がある」と語る。

また、この日はイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)も 開かれる。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト45人 を対象に実施した調査では全員が資産買い取りプログラムの拡大休止 を維持すると予想。斎藤氏は、「サプライズはないと思うが、キング 総裁がハト派的な発言をすれば、ポンドは売られやすい」とみている。

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