日本株は5日ぶり反落、午後に円高警戒強まり輸出売り-デフレ懸念も

東京株式相場は午後の取引で売り込 まれ、5日ぶりに反落した。為替の円高進行に徐々に警戒感が強まり、 精密機器や輸送用機器など輸出関連株が下落。円高は国内デフレの悪化 につながるとし、銀行や不動産など内需関連も安い。

日経平均株価の終値は前日比107円42銭(1.1%)安の1万145円 72銭。TOPIXは8.01ポイント(0.9%)安の897.64と、終値で3 日ぶりの900ポイント割れ。東証1部の値上がり銘柄数は334、値下が り1211。

ニッセイアセットマネジメントの西崎純チーフ・ポートフォリオ・ マネジャーは「米国景気は良い方向に向かっているが、地区連銀経済報 告などを見る限り、早期に金利を引き上げられるような状況にはない」 と指摘。金利差やレパトリエーション(本国への資金還流)を背景に円 相場が直近の節目を上回ってきたことを挙げ、「さらなる円高懸念が出 ている」と話した。

午前の日経平均の値幅は約34円にとどまっていたが、午後に一転 して売り圧力が強まった。三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長によ ると、「これまで堅調だった上海株が東京市場の昼休み中に売られ、円 高もじりじりと進んでいる」点が下げ要因になったという。日経平均は 4日間の上げ幅151円のうちの7割をきょう1日で失い、5日の米雇用 統計の発表を前にした上値の重さが確認された。

雇用統計

東京時間のドル・円相場は1ドル=88円30銭台まであり、きのう 海外時間で付けた約2カ月半ぶりの円高値に接近。前日のギリシャ政府 の財政再建策発表後にユーロはやや戻る場面もあったが、対ドルでは円 高圧力の根強さを示す格好となった。米連邦準備制度理事会(FRB) が3日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、全米 12地区のうち9地区で1、2月の経済活動が改善したものの、改善ペ ースは大半の地区で緩やかだった。

米国では5日に2月の雇用統計が発表される。同統計を占う給与明 細書作成代行会社のADPエンプロイヤー・サービシズの集計調査によ ると、2月の米民間部門雇用者の純減数は過去2年間で最小だったが、 1月の雇用者数は6万人減と、速報値の2万2000人減から下方修正さ れた。「米国の年内利上げが困難とされる中で、雇用改善が遅れれば、 もう一段円高になる可能性がある」と、三菱U証の藤戸氏は警戒する。

輸出関連が安くなる中、投資対象は内需にも向かわなかった。立花 証券の平野憲一執行役員は、「政府は財政難でデフレを解消する政策は 無理な状況にある。頼りは為替の円安だが、逆に円高に振れていること でさらにデフレが悪化しかねない」としていた。

三菱自が急落、三菱ケミHは5連騰

個別の材料銘柄では、仏プジョー・シトロエングループ(PSA) との資本提携を見送る三菱自動車が急落。中国元の切り上げと円高・ユ ーロ安の進行リスクを懸念するとし、クレディ・スイス証券が投資判断 を「ニュートラル」へ引き下げたマキタが4日ぶり急反落し、バークレ イズ・キャピタル証券が「アンダーウエート」へ格下げしたTDKは続 落した。UBS証券が「短期的に売り」としたレンゴーは5日連続安。

半面、クレディS証が11年度の営業最高益更新を予想して投資判 断を引き上げた三菱ケミカルホールディングスが5連騰。メリルリンチ 日本証券が投資判断を「買い」に引き上げたサンケン電気は大幅続伸し た。米スパンションのフラッシュメモリー技術資産とイタリアの開発拠 点をこのほど譲り受けたエルピーダメモリは反発。

新興市場は高安まちまち

新興市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比0.1% 高の50.84と3日ぶり反発。東証マザーズ指数は0.04%安の412.57、 大証ヘラクレス指数は0.6%安の572.18とそれぞれ3日続落。

個別の材料銘柄では、今秋をめどにアジアに進出する、と4日付の 日本経済新聞朝刊が報じたサマンサタバサジャパンリミテッド、株価調 整で目標株価とのかい離が縮小しているとし、野村証券が投資判断を 「中立」に引き上げた田中化学研究所がともに急伸。売買代金上位では 楽天、サイバーエージェント、ブロードバンドタワーが上げた。

半面、きのう新規上場したアニコム ホールディングスが一時は値 幅制限いっぱいのストップ安まで売られるなど、急落。24人の社員を 対象に3月5日から15日間、一時帰休措置を取ると発表したプロパス トも大幅安。売買代金上位では、デジタルガレージ、グリー、日本通信 が下げた。

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