債券先物140円回復、円高・株安で買い-5年利回り2カ月ぶり低水準

債券先物相場が反発し、中心限月は 終値で今年初めて140円台に乗せた。為替市場での円高進行を受けて 株式相場が下落しており、買いが優勢となった。現物市場では、中期 債が買われており、新発5年債利回りは約2カ月ぶり低水準となった。

BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、相場 上昇について、株式先物の下落に合わせて債券先物が上昇したほか、 国内投資家の中期債買いも入っていると説明した。「為替が円高に振れ ていることもあり、リスク回避の動きとなっている」とも述べた。

東京先物市場の中心限月3月物は、前日比2銭高の139円90銭で 始まった。その後、日経平均株価が下落に転じると買いが膨らみ、午 後に入ると一段高となって4営業日ぶりに140円台に乗せた。一時は 140円3銭まで上昇した。結局は23銭高の140円1銭と、終値ベース で昨年12月22日以来の140円台回復となった。

日興コーディアル証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト は、「先物は限月交代に絡んだ買い戻しの動きではないか」という。3 月物は11日に売買最終日を迎える。このため、先物限月交代は11日 ないしは前日の10日とみられている。

日経平均株価は5営業日ぶりに反落。前日比107円42銭安の1万 145円72銭で取引を終了した。円相場が1ドル=88円台前半まで円 高・ドル安が進んだことで輸出関連株などが下落した。

中期債利回りが低下

現物債市場では中期債が堅調となった。新発5年物の87回債利回 りは一時、前日比2ベーシスポイント(bp)低い0.475%まで低下、 昨年12月30日以来の低水準をつけた。新発2年債利回りは同0.5bp 低い0.15%に低下している。

東京海上日動火災保険投資部の岳俊太郎債券投資グループリーダ ーは、「短中期ゾーンはしっかり。為替市場では円高が進んでおり、再 来週の日銀金融政策決定会合への期待があるかもしれない」と話した。 日本銀行は今月16、17日に金融政策決定会合を開催する。

また、シュローダー証券投信投資顧問運用部の塚谷厳治債券チー ムヘッドによると、「中国株が売られ、日本株も売られて、景気見通し が悪化したため、金利が低下した」という。

長期金利の指標とされる新発10年物の306回債利回りは0.5bp 低い1.325%で開始した後、徐々に水準を切り上げ、0.5bp高い1.335% をつけた。午後に入ると横ばいの1.33%で推移している。

一方、超長期債は軟調。新発20年債利回りは1bp高い2.14%、 新発30年債は1.5bp高い2.325%に上昇した。「午後に入って菅直人 副総理兼財務相が財政出動を継続すると発言し、夏に向けて参院選の 流れの中で補正予算への懸念が強まり、超長期債に売りが出た」と、 シュローダー証券投信の塚谷氏はみていた。

野田日銀委員、追加緩和に否定的

日本銀行の野田忠男審議委員は4日、大津市内で会見し、「1月や 2月の会合で言ってきた政策判断を現時点で変えなければならないと いう材料はない」と述べ、3月の金融政策決定会合での追加緩和に対 し否定的な見方を示した。

また、同委員は講演で、「わが国の長期金利は1%前半で安定的に 推移しているが、こうした水準を維持しながら、債務を増加させるこ とを長期にわたって続けられる保証はない」と述べ、政府に対して財 政規律を確保することが重要だと訴えた。

日興コーディアル証の岩下氏は、「国債買い入れ増加に対して、財 政ファイナンスと思われて長期金利が上昇することへの懸念を示し、 副作用を指摘している」と説明した。

--取材協力:日高正裕 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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