ウォール街はサブプライムCDSが何か知らなかった-Mルイス氏新著

米カリフォルニア州のヘッジフ ァンド運用者、マイケル・バーリー氏は、米サブプライム(信用力 の低い個人向け)住宅ローンバブルの破裂に賭けて儲ける方法を考 えた。そして、2005年初めにウォール街の9社に働き掛け、サブプ ライムローン関連証券を保証するクレジット・デフォルト・スワッ プ(CDS)を作り出させた。マイケル・ルイス氏が著書、「ザ・ ビッグ・ショート」の中で書いている。

ルイス氏によると、9社のうち5社はバーリー氏の話が「全く 理解できなかった」。ドイツ銀行とゴールドマン・サックス・グル ープだけが、この考えに興味を示したという。

バニティフェア誌のウェブサイトに掲載された同書の抜粋によ ると、ルイス氏は「3年以内に、サブプライムローン関連証券のC DSは1兆ドル規模の市場に成長し、ウォール街の大手金融機関に 数千億ドルの損失をもたらすことになった」と書いている。

「しかし、2005年初めにマイケル・バーリー氏が金融機関に声 を掛けた時には、会話を続けることに本当に興味を示したのはドイ ツ銀行とゴールドマン・サックスだけだった。バーリー氏が見る限 り、ウォール街の誰も、同氏の考えを理解しなかった」という。

同書は今月、米国ではWWノートンから、英国ではアレン・レ ーン社から出版される。

ルイス氏の著書によれば、サイオン・キャピタル・グループを 率いるバーリー氏は、融資基準が底まで落ちたと考えた。同氏は数 百部の目論見書を読み、サブプライムローン証券について詳細に研 究した。その結果、その下落に賭けて儲けを出すにはCDSを利用 すればよいと考えたという。CDSは発行体のデフォルト(債務不 履行)に対する保険であると同時に、デフォルトを見込んだ投機の 手段にもなる。

存在しなかった

ルイス氏の著書によれば、バーリー氏がこれを提案した時には まだ、サブプライムローン証券のCDSというものは存在しなかっ た。

2005年5月19日、バーリー氏にとって最初のサブプライムロ ーン証券に関する取り引きが成立した。「6000万ドル相当のCDS をドイツ銀行から購入した。6つの異なる銘柄についてそれぞれ 1000万ドルずつを買った」とルイス氏は書いている。

サブプライムローンのデフォルトに賭ける投資が拡大するに伴 い、バーリー氏のファンドへの投資家はその戦略を疑い始め、同氏 に裏切られたとの思いを抱くようになったとルイス氏の著書は続く。 しかし、バーリー氏に資金を託し続けた投資家は報われた。

同書によれば「2000年11月1日の設定以来サイオン・キャピ タルに資金を置いてきた投資家は、2008年6月30日までには手数 料や経費を除いたベースで489.34%のリターンを得た。同じ期間に、 S&P500種株価指数の投資リターンは2%強にすぎなかった」と いう。

ルイス氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニスト。

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