ギリシャ:財政赤字削減の追加措置を発表、「国家と経済」守るため

ギリシャのパパンドレウ首相は、赤 字削減に向けた48億ユーロ(約5800億円)規模の追加措置を表明し た。欧州連合(EU)加盟各国や投資家に対し、域内最悪の赤字の削 減 が可能であることをアピールする。

発表を受けてギリシャ国債相場は3週間ぶりの水準に上昇した。 追加措置には燃料やたばこ税、付加価値税の増税と、公務員への上乗 せ報酬の30%減額などが含まれる。公務員の給与は既に凍結されてお り、労働組合はこの日の発表を受けて新たな抗議行動を呼び掛けた。

支援の前提として一段と厳しい緊縮財政をギリシャに迫ったEU に屈した形となったパパンドレウ首相は、国内での批判に直面する恐 れもある。同首相は5日にドイツのメルケル首相と会談し、7日には フランスのサルコジ大統領と、ギリシャの財政問題について話し合う。

エボリューション・セキュリティーズのクレジット調査責任者、 ゲーリー・ジェンキンズ氏は「この日のギリシャ政府の発表は、EU 各国がギリシャに流動性を提供しなければならなくなった場合の政治 的な障害を減らす意味も大きい」とし、「各国の政治家は自国民に、ギ リシャがEUの勧告に従い追加措置を取ったと指摘することができる」 と述べた。

ギリシャ10年国債の利回りは13ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下し6.02%と、2月11日以来の低水準となった。 ドイツ国債との利回り格差は14bp縮小し291bp。

パパンドレウ首相はアテネでの閣議後、財政引き締めは「厳しい がギリシャとギリシャ経済の生き残りのため」に必要な措置だと語っ た。

金融支援は示唆せず

ドイツのショイブレ財務相はこの日、ギリシャの発表した政策は 市場を一段と落ち着かせ、ギリシャの国債発行が可能になるだろうと 述べ、ドイツからの金融支援の計画がないことを示唆した。ドイツ政 府の報道官はこの日、金融支援は5日のギリシャ・ドイツ首脳会議の 議題ではないと述べていた。

ギリシャの借り換え難航への懸念でギリシャ債とドイツ債のスプ レッドは1月28日に、ユーロ導入後で最大の396bpに拡大。1999 年のユーロ導入以来で最大を記録した。ギリシャは4、5月に約200 億ユーロの国債償還を控えている。

パパンドレウ首相はこの日閣議で、支援が必要となりEU各国か らそれが得られない場合は、国際通貨基金(IMF)に援助を求める ことを検討すると述べた。会議に出席した政府当局者が明らかにした。

ギリシャは1月15日、EUの欧州委員会に当初の赤字削減計画 を提出した。今年の財政赤字を対国内総生産(GDP)比で8.7%と、 昨年の12.7%から引き下げることが目標。以来、追加措置の発表は今 回が2回目となる。

この日発表の措置はGDPのほぼ2%に相当する。24億ユーロの 歳入増に向けて付加価値税の主要税率を21%と現行の19%から引き 上げるとともに、燃料とたばこ、アルコール税は今年2回目の引き上 げに踏み切る。追加措置には主に公務員向けボーナス削減と給付削減 幅の拡大で歳出を24億ユーロ削減することも盛り込まれている。

ギリシャ政府は公務員の休暇時の追加報酬を30%削減するとと もに年齢や階級に応じた給付の削減幅は12%と当初案の10%から拡 大する。

公務員の労組はこの日、4日にアテネで抗議行動をすると表明し た。16日に今年3回目の24時間ストを断行する計画も示している。

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