パナソニック社長:テレビ、10年度にも赤字脱却を示唆

プラズマテレビ世界最大手のパナソ ニックの大坪文雄社長は3日のグループインタビューで、不採算のテレ ビ事業についてコスト削減や小型液晶テレビパネルの外部調達などによ り、2010年度(11年3月期)にも赤字脱却できる可能性を示唆した。

プラズマについては「3次元(3D)でその良さを100%発揮させ る」としたほか、液晶は小型パネルを中心にODM(相手先ブランドに よる設計・生産)などを増やして効率化を図ると説明。10年度には「赤 字解消の目鼻が立っているのではないか」と述べ、「11年度からは当然 収益が出るだろう」と語った。

同社のテレビ販売計画は09年度が1550万台、10年度は2000万台、 12年度は3000万台を見込む。10年度は3次元(3D)テレビで計100 万台の販売を目指すほか、薄型テレビ全モデルの3割を省エネ性能の優 れた発光ダイオード(LED)バックライト搭載型とする方針。

1月にはプラズマテレビ向けパネルを製造する尼崎第3工場(兵庫 県尼崎市)が稼働。生産能力は42型換算で当初は月12万台で、今秋に は30万台程度へ増やす。7月には液晶テレビ向けパネル生産の姫路工場 が稼働する予定。

投資額、一段の圧縮

設備投資が過剰との指摘が出ている点について「われわれも半面、 事実と思っている」と述べ、「明確に歯止めをかける」と語った。両工 場への投資額も当初計画の5800億円から4450億円にすでに圧縮してい るが、「さらに数百億減ると思う」と述べた。

テレビ事業は、ソニーや東芝が昨年10-12月に黒字化したものの、 パナソニックは100億円を超える赤字だった。上野山実取締役は2月7 日の決算会見で「四半期ごとに改善しており、通期では2けたくらいの 赤字に収まる」との見通しを示していた。

大和総研の三浦和晴アナリストは「テレビの黒字化は、価格次第の 部分もあり、どこまで価格が下がるかがわからないと見通しにくい」と 指摘。各社が強気な生産計画を持っているため、需要に対して供給過多 になり価格が下がりやすいと考えられ、「パナソニックに限らずテレビ 事業の収益改善は難しい」とみている。

「最終赤字は許されない」

パナソニックは今期純損益を1400億円の赤字と2期連続の赤字を 見込む。大坪社長は「08年度、09年度と最終赤字を出して3年目も赤字 というのは経営的に許されない」と言い、10年度に最終黒字化を実現す ると強調した。ブルームバーグ・データによるアナリストの10年度の純 利益予想平均は1125億円と3年ぶりの黒字転換が予想されている。

一方、昨年子会社化した三洋電機については「完全子会社化するこ とは現時点では頭にない」と話した。三洋電買収に伴う独禁法審査で中 国当局が承認条件の1つとして提示したトヨタ自動車との共同出資会社 「パナソニックEVエナジー」(静岡県湖西市)への出資比率を20%以 下に引き下げたとし、「これ以上の引き下げはない」としている。

パナソニック株の3日終値は前日比1.5%安の1246円。年初からの 下落率は6.0%に達している。指標となる日経平均株価の年初来の下落 率2.8%を大きく上回って推移している。

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