中国の隠れ債務、12年危機へのリスク-ノースウエスタン大学シー教授

地方政府の隠れた借り入れによ り中国の債務残高が来年、対国内総生産(GDP)比で96%に達す る可能性があり、同国で金融危機が起きるリスクが増大する。米ノ ースウエスタン大学のビクター・シー教授がこうした見方を示した。

米イリノイ州のノースウエスタン大学のシー教授(政治経済学) は数カ月かけて、中国の約8000の地方政府機関による借り入れ状況 を調査。中国に関する著作のある同教授は1日の電話インタビュー で、「最悪のケースは、2012年ごろの非常に大規模な金融危機だ」 と指摘。景気「減速は少なくとも2年間、あるいはそれ以上続くだ ろう」と述べた。

シー教授の懸念の主因は急増する地方政府機関による借り入れ で、これは中国の対GDP債務比率についての公式統計に含まれて いない。米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は2月23日、中国 の債務で膨らんだバブルが今後10年以内に域内でリセッション(景 気後退)を引き起こすだろうとの予想を明らかにした。ヘッジファ ンド、キニコス・アソシエーツの創業者ジム・チャノス氏も、過剰 な不動産投資の後、同国経済が落ち込む恐れがあると警告している。

シー教授の試算によると、中国の債務残高は2011年に39兆 8380億元(約517兆円)に達する見通し。一方、国際通貨基金(I MF)は中国の今年の対GDP債務比率を22%と予想している。こ の数字には地方政府の負債は含まれていない。IMFはスペインと 米国、ギリシャ、日本の同比率はそれぞれ、69.6%、94%、115%、 227%とみている。

不良債権化の波

中国の2009年の新規融資は過去最高の9兆5900億元に達した。 シー教授の懸念の1つは、地方政府が設立した投資会社への融資で 直接借り入れへの規制を迂回し、そうした会社による借り入れが最 大3兆元規模の不良債権化につながることだ。

事情に詳しい関係者が1月に語ったところによると、中国の銀 行規制当局は市中銀行に対し、地方政府の資金団体への融資の返済 を確かなものとするため6月末までに融資内容を見直すことを命じ ている。シー教授の推計では、地方政府機関の09年末の債務残高は 11兆4290億元となっている。

シー教授は、地方政府の借り入れ引き締めはプロジェクト資金 を断ち、不良債権の「巨大な波」を誘発する恐れがある一方、融資 抑制を行わなければ2012年までに15%超のインフレを招く公算が あると指摘。いずれの場合も銀行への取り付けと金融システムへの 信頼喪失による危機を引き起こす可能性があると述べた。

--Kevin Hamlin. Editors: Paul Panckhurst, Russell Ward.

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 藤田比呂子 Hiroko Fujita +81-3-3201-8662 hfujita2@bloomberg.net Editor:Masashi Hinoki 記事に関する記者への問い合わせ先: Kevin Hamlin in Beijing at +86-10-6649-7573 or khamlin@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Chris Anstey in Tokyo at +81-3-3201-7553 or Canstey@bloomberg.net

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