ドル下落、ギリシャ懸念後退でユーロ買い戻し-米雇用指標を警戒

東京外国為替市場ではドルが対欧州 通貨で2営業日ぶりの安値を付けた。ギリシャの財政赤字問題の打開 に向けた期待感や、企業の合併・買収(M&A)をめぐる思惑を背景 に、ユーロやポンドを買い戻す動きが続いた。

ブルームバーグ・データによると、午後3時40分現在、ドルは 円とブラジル・レアルを除く主要14通貨に対して前日終値を下回っ ている。海外時間に米国の民間雇用統計の発表を控えて、雇用低迷に よる低金利政策長期化の可能性も意識された。

バークレイズ銀行FXストラテジストの逆井雄紀氏は、「ギリシャ で財政引き締めの追加策が出るとのニュースを受け、リスクプレミア ムがやや低下し、安心感からユーロが戻している」と説明。全般的に 「リスク回避が後退している」と話していた。

ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.3655ドルまで下落。前日 の海外市場では昨年5月18日以来のユーロ安・ドル高水準となる

1.3436ドルを付ける場面も見られたが、ギリシャ政府が新たな財政 赤字削減策を3日に発表する見通しとなったことで、これまで売って いたユーロを買い戻し、ドルを売る動きが優勢となった。

また、製薬最大手の米ファイザーが後発医薬品(ジェネリック) メーカーの独ラツィオファーマに最大30億ユーロ(約3600億円) 規模の買収提案を行う方針と伝わったことも、ユーロ買い・ドル売り の材料視されているという。事情に詳しい関係者の話によると、ファ イザーは今週中にもラツィオファーマの経営陣に買収提案について説 明を行う可能性がある。

一方、英プルデンシャルによる米アメリカン・インターナショナ ル・グループ(AIG)のアジア生命保険部門買収をめぐる不透明感 からポンドは対ドルで反発。英住宅金融大手ネーションワイド・ビル ディング・ソサエティーが発表した2月の英消費者信頼感指数が市場 予想を上回ったことも支援材料となり、一時は1ポンド=1.5076ド ルまでポンド買いが進む場面も見られた。

米国の低金利政策

ダラス連銀のフィッシャー総裁は2日、金利は米経済が上向くま で低水準にとどまるだろうと述べ、景気の上向きはしばらく起きない との見解を明らかにした。PBSテレビとのインタビューで語った。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシン グ(ADP)エンプロイヤー・サービシズが3日発表する2月の米民 間部門の雇用者数は前月比で2万人減少する見通しとなっている。

そのほかにも、この日は2月のISM(米供給管理協会)非製造 業景況指数が発表されるほか、今月16日開催の米連邦公開市場委員 会(FOMC)での議論の素地となる地区連銀景況報告(ベージュブ ック)が公表される。

バークレイズ銀の逆井氏は、「市場も悪天候の影響で指標が弱含ん でいることは多少織り込んでいると思うので、少し悪いぐらいだとあ まり反応しないかもしれないが、大幅に悪いと金曜日の米雇用統計も 悪いのではないかという連想が働く。特にドル・円相場は指標と相関 が強いので、予想よりも低く出ると下がる可能性がある」と指摘して いる。

ドル・円相場は一時、1ドル=88円48銭と約3カ月ぶりの水準 までドル売り・円買いが進行。ただ、午後にかけては対欧州通貨など での円弱含みを背景に、88円台後半まで値を戻した。ユーロ・円相場 は1ユーロ=120円台後半から121円台前半へユーロが水準を切り上 げている。

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