米国債:ボラティリティ低下、リーマン破綻前以来で最低

米国債市場ではボラティリティ が低下。金融危機がまだ表面化していなかった2007年以来の最低水 準となった。欧州連合(EU)で最大の財政赤字を抱えるギリシャ が、赤字削減策を発表すると明らかにしたことが背景。

償還年限2-30年の米国債の店頭オプション価格を基にしたボ ラティリティの指数であるバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリ ルリンチのMOVE指数は、前日に79.40と、少なくとも2007年10 月15日以来の水準に低下した。同指数はリーマン・ブラザーズ・ホ ールディングスの経営破たんから数週間後の08年10月には過去最 高の264.6まで上昇していた。

米10年債に対するギリシャ10年債のプレミアム(上乗せ利回 り)は16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小し、2月 12日以来の水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 調査によると、5日に発表される2月の米雇用統計で非農業部門の 雇用者数は中央値で5万3000人の減少と見込まれている。1月は2 万人の減少だった。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責 任者、ケビン・ギディス氏は「今週の金曜日までは商いも薄く、ボ ラティリティも低い状態が続くだろう」と指摘。「ロング(買い持 ち)にしろ、ショート(売り持ち)にしろ、今回の雇用統計を控え ての取引はかなりリスクが高い。市場参加者の大半は同統計データ を見極めるまで売買は控えるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時9現在、10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの3.61%。 同年債(表面利率3.625%、2020年2月償還)価格は1/32上げて 100 4/32。

ギリシャの赤字削減策

10年債利回りは一時4bp上昇と、日中の推移としては2月18 日以降で最大の上昇となる場面もあった。2年債利回りは1bp低 下し0.80%。

ギリシャ政府は新たな赤字削減策を3日に発表する。ペタロテ ィス政府報道官がアテネでのインタビューで明らかにした。同報道 官によると、ギリシャ政府は赤字削減への反応を見極めてから国債 売却について決定する方針。

ギリシャ政府の計画に詳しい関係者によれば、同国政府は最大 48億ユーロ(約5800億円)規模の追加措置を発表する見込みだ。 赤字削減に向けた取り組みの強化を迫るEUと市場の圧力に屈する 形になる。

新措置にはたばことアルコール税、売上税の税率引き上げ、公 務員賞与の追加削減などが含まれると関係者は匿名を条件に述べた。

「新たな波乱」

ギリシャ債は3日続伸した。今回の赤字削減策で、EUによる ギリシャ支援に対する反対が和らぐとの観測が背景にある。

モルガン・キーガンのギディス氏は顧客向けリポートで、「新 たな波乱が起きるか」ギリシャの問題が解決するまで、市場のボラ ティリティは続くだろうと指摘した。

米財務省は来週実施する3年債、10年債、30年債の入札規模を 4日に発表する。米調査会社ライトソンICAPによると、3年債 の発行額は400億ドル、10年債は210億ドル、30年債は130億ドル となるもよう。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーデ ィング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は、「利回りは入 札規模の発表に向けて上昇するだろう」と述べた。

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