英銀報酬改革は「煙と鏡のトリック」-09年バークレイズ約2545万円

【記者:Gavin Finch, Andrew MacAskill】

3月2日(ブルームバーグ):英国のダーリング財務相が自制と節 度を強く求めているにもかかわらず、英国の金融機関はなおも報酬を 上げ続けている。

英金融大手バークレイズの投資銀行部門バークレイズ・キャピタ ルは昨年、社員1人当たりの給与と賞与の支払合計額が約93%増えた。 また、英政府が出資する金融機関としては最大手のロイヤル・バンク・ オブ・スコットランド・グループ(RBS)も昨年、1人当たりの報 酬総額を約73%引き上げた。英3大金融グループのうち、投資銀行部 門の給与がわずかに下がったのは、HSBCホールディングスだけだ。

金融機関の届け出によれば、投資銀行部門の社員1人当たりで見 た場合、バークレイズの平均支払額は約19万1000ポンド(約2545 万円)、RBSの報酬総額は約17万3000ポンドだった。

ロンドンのカス経営大学院のクリス・ローバック客員教授は「金 融機関はこれまで通りの経営を続ける一方で、政治家と国民が耳にし たいと思われることを口先で述べているだけだ」と批判。「彼らが進め ている見せ掛けの報酬改革は、あたかもマジシャンが煙と鏡を使って 行う巧妙なトリックのようだ」と話す。

ダーリング財務相は昨年12月、2万5000ポンドを超えるボーナ ス支給に対する50%の特別課税を打ち出した。政府当局者1人が匿名 を条件に語ったところでは、財務省は高額賞与課税で当初5億5000 万ポンドの税収を見込んでいたが、現在の見積額は最大20億ポンドに 上る。バークレイズとHSBC、RBSにロイズ・バンキング・グル ープを加えた4大金融グループだけで約6億8500万ポンドを納税す る見通しだ。

ロンドンの法律事務所ミシュコン・デレヤのパートナー、ダニエ ル・ナフタリン氏は「対外広報の観点から見れば、賞与税は政府が取 り締まりを行っているとの印象を与えたことで部分的には成功だった」 としながらも、「ボーナスの額を著しく減らしたようには見えないとい う意味では失敗だった」と述べている。

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