東京外為:ドルが上昇、ユーロ圏や英国の財政問題で買い戻し圧力

東京外国為替市場では、ドルが上 昇。ユーロ圏や英国の財政赤字問題に焦点が当たる中、対欧州通貨を 中心にドルの買い戻しが進みやすい展開となった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、これま では米国の財政赤字問題を背景としたドル安が懸念されていたが、ユ ーロ圏に加えて英国の財政悪化の方が「実はひどかった」ことが浮き 彫りになりつつあると指摘。目先は欧州通貨売りに圧力がかかりやす く、ドル・円相場も広範なドル買いに支えられる格好になったと説明 している。

ドルはポンドに対して1ポンド=1.49ドル台前半と、前日のニ ューヨーク時間午後遅くに付けた1.4991ドルから水準を切り上げて 推移。海外市場では一時1.4784ドルと、昨年5月10日以来のドル 高値を付ける場面もみられていた。

また、ユーロ・ドル相場も1ユーロ=1.35ドル台前半を中心に、 前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.3560ドルからドルが水 準を切り上げている。

一方、ドル・円相場は対欧州通貨でのドル買いが波及し、一時は 1ドル=89円38銭と、ニューヨーク時間午後遅くに付けた89円13 銭からドルが上昇した。

英欧の財政不安が焦点

ギリシャの財政問題に関しては、欧州連合(EU)による支援計 画への期待感が生じていたものの、引き続き加盟各国の世論が影響し て、ギリシャに一段の自助努力を促す可能性も残り、先行きは不透明 なままとなっている。

みずほコーポ銀の加藤氏は、ギリシャの財政問題はあくまでも一 例に過ぎず、「ユーロ圏が財政的に統一されていないという点が根本 的な問題になっている」と指摘。他の国でも同様の問題が露呈すると の懸念が根強く、まだ尾を引くと見ている市場関係者は多いと語る。

また、英国では、6月までに実施される総選挙をめぐる世論調査 で、政局の先行き不透明感が広がっており、財政赤字縮小の妨げにな るとの懸念が生じている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井聡彦営業推進役は、英国の 総選挙に向けて、市場では「財政問題が片付かない可能性が高い」と の見方が出ていると指摘。通貨安政策の選択肢も考えられることから、 ポンドの先安観につながっていると説明している。

豪利上げ再開

一方、オーストラリア準備銀行(RBA)はこの日、金融政策決 定会合を開き、政策金利である翌日物オフィシャル・キャッシュレー トの誘導目標を3.75%から4%に引き上げた。

豪ドルは政策金利の発表後に大きく振れる展開となり、対円では 一時1豪ドル=80円62銭と、3営業日ぶりの高値を付けたあと、79 円96銭まで下落。その後は80円台前半で推移した。

三菱UFJ信託銀の酒井氏は、RBAの利上げは予想通りの結果 ということで、豪ドルの上値を追う動きは限られたものの、クロス・ 円(ドル以外の通貨と円の取引)の下支え(円は売り)になったと述 べている。

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