株式取得機構:買い取り期間延長を示唆-「国際会計導入で売却増も」

銀行等保有株式取得機構の吉野直行 運営委員長(慶応義塾大学教授)は、銀行などから持ち合い株式を買い 取る期間を5月以降も延長する可能性を示唆した。その背景として、株 式を時価評価する国際的な会計基準の導入を控え、株価下落リスクを回 避する企業による売却が広がる見通しがあるなどと指摘した。

吉野委員長(60)は1日のインタビューで、2015年には全企業に強 制適用される予定の国際会計基準に関連して、特に取引関係で事業会社 の株式を多く抱える銀行が「どんどん保有株を売ってくるだろう」との 見解を示し、その際の機構活用を求めた。景気低迷を背景とした不安定 な株価動向も延長の判断材料にするという。

取得機構は経済対策の一環として09年3月に20兆円の取得枠で買 い取り業務を再開。買い取り期間は4月末となっている。日本銀行が銀 行保有株の買い取りを打ち切る方針を決めた一方で、取得機構は国際会 計基準の導入による影響に配慮して、受け皿として買い取り期間の延長 を検討することになる。

取得機構は有識者5人の運営委員と永易克典三菱東京UFJ銀行 頭取など銀行トップらで構成する役員で買い取り期間を決定する。法律 では12年3月末まで延長できることになっている。吉野氏は「最終的 には4月の運営委で決定する」と述べた。

同機構の2月末までの1年間の取得総額は3255億円。それ以前の 02年1月から06年9月)では総額1兆5868億円を取得した。一方、日 銀も昨年2月から総額1兆円を限度に買い取りを行っているが、すでに 当初設定した10年4月末で業務を打ち切る方針を決定した。日銀の1 月末までの買い取り実績は2137億円にとどまった。

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