債券先物反発、10年債入札順調で買い安心感-長期金利は一時1.29%

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債券先物相場が3営業日ぶりに反発 (利回りは低下)した。朝方は売りが優勢だったものの、午後に発表 された10年利付国債の入札結果が順調となり、潜在需要の強さが確認 されたことで買い安心感が広がった。

バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジス トは、相場が午後に堅調推移になったことについて、10年債入札が予 想通りに良好だったこと以外に材料はないと説明した。「入札では万遍 なく買いが入っていたようだ。期末や先物の中心限月交代などの要因 が重なり、相場は高い水準だ」とも述べた。

東京先物市場の中心限月3月物は、前日比変わらずの139円77 銭で始まった後、日経平均株価の続伸を受けて売りが増え、一時は8 銭安の139円69銭まで下げた。しかし、その後は徐々に買い優勢の展 開。午後に入って、入札結果を好感すると13銭高まで上昇した。結局 は4銭高の139円81銭で引けた。

先物相場の反発について、来週に限月交代を控えていることも一 因との声が聞かれた。JPモルガン・アセット・マネジメントの国部 真二債券運用部長は、先物限月交代を控える中、未決済の持ち高の建 玉残高が6兆円台に増えており、相場が下がるとショートカバー(売 り持ちの買い戻し)が入りやすいという。

現物債市場で長期金利の指標とされる10年物の305回債利回りは、 前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.31%で始まった。その後は 徐々に水準を切り下げ、2営業日ぶりに1.3%を割り込み、一時は

1.5bp低い1.29%に低下した。午後4時4分現在では1bp低い1.295% で推移している。

10年入札結果順調、テール縮小

財務省が午後零時45分に発表した表面利率(クーポン)1.4%の 10年利付国債(306回債)の入札結果では、最低価格が100円60銭、 平均落札価格は100円62銭となった。

最低落札価格は事前の市場予想(100円59銭)を1銭上回った。 最低と平均落札価格との差である「テール」は2銭に縮小。昨年10 月入札以来の小ささとなり、投資家の潜在需要の強さが示された。応 札倍率は3.40倍で前回債の3.62倍から低下した。日経テレコンによ ると、今回の10年債入札では、野村証券が2057億円を落札した。

三井住友アセットマネジメント国内債券運用グループアクティブ チームの永見哲チーフは、入札前取引からしっかりだったが、クーポ ンが1.4%に引き上げられたこともあって順調な結果だったと指摘。 クーポンの1.4%は昨年11月以来の高水準。

日本相互証券によると、この日入札された10年物の106回債利回 りは、業者間市場では1.33%で取引を開始し、買いが増えると1.325% まで低下した。その後は再び1.33%で推移している。

雇用改善に相場の反応鈍い

朝方発表された経済指標では、雇用の改善や消費支出の増加傾向 が示されたものの、債券市場への影響は限定的だった。岡三証券の坂 東明継シニアエコノミストは、「1月の失業率が大幅に低下したが、日 銀の低金利政策が長期化するとの市場の見方に影響するものではなく、 足元の債券市場の反応も極めて限定的だ」と説明した。

総務省が2日発表した1月の完全失業率は4.9%と、前月から0.3 ポイント低下した。1月の家計調査で2人以上の世帯の消費支出は前 年比1.7%増加した。ドイツ証券の松岡幹裕チーフエコノミストによ ると、「1-3月期の消費は4四半期ぶりに前期比減少する可能性が出 てきた」という。一方、厚生労働省が発表した1月の有効求人倍率は

0.46倍と前月から0.03ポイント改善した。

ブルームバーグ調査では、完全失業率が5.1%、有効求人倍率が

0.47倍、消費支出は2.5%増加が見込まれていた。

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