3月1日の海外株式・債券・為替・商品市場 (Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではポンドが下落。ほぼ10カ月ぶり に1ポンド=1.50ドルを割り込んだ。英世論調査で1974年以来 初めて少数与党政権が誕生する可能性が示唆され、財政赤字削減策が 滞るとの懸念からポンド売りが膨らんだ。

ユーロはドルに対して約2週間ぶりの大幅安。欧州連合(EU) 当局者がギリシャは信頼回復のために2010年の赤字目標を達成す る必要があると述べたことが材料となった。円はブラジル・レアルを 含む高金利通貨に対して下落。亀井静香金融・郵政担当相が「日銀が 直接国債を引き受けて財源を作るということをやったら良い」と述べ たのが手掛かり。

ソシエテ・ジェネラルの通貨ストラテジスト、グレッグ・アンダ ーソン氏は、「英政局の不透明感がポンド相場の問題となっており、 これは総選挙後まで続くだろう。英国は大国であり、大きな問題を抱 えている。それに政治的な問題が加わった」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時17分現在、ポンドはドルに対して 1ポンド=1.4995ドル。一時は3%下げ、昨年5月1日以来の安 値となる1.4784ドルまで売り込まれた。ユーロに対しては1.1% 下げて1ユーロ=90.45ペンス。この日は12月4日以来初めて91 ペンスを超えるポンド安になる場面があった。対円では1.5%安の 1ポンド=133円57銭。

ユーロはドルに対して0.5%下げて1ユーロ=1.3560ドル。 対円では0.3%安の1ユーロ=120円82銭だった。円はブラジ ル・レアルに対して0.6%安、対ドルでは0.2%下落して1ドル= 89円10銭。

レーン欧州委員

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は、ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相と会談後 に、同国に対し財政赤字縮小に向けて一段の措置を策定するよう求め た。ユーロは対ドルで一時、2月17日以来で最大となる1.3%安 まで下落した。

匿名を条件に応じた4人のドイツ議員は、必要な場合ギリシャに 約250億ユーロの金融支援を提供する案をユーロ圏当局者らが作成 しているとし、ドイツ復興金融公庫(KfW)など国有金融機関がギ リシャ国債を購入する可能性があると述べていた。

MFグローバルのアナリスト、ジェシカ・ホバーセン氏(シカゴ 在勤)は、「救済策では問題は解決しないだろう」と語り、「ギリシ ャに対し、より厳格な措置を講じるよう求めた場合、社会的不安や経 済成長の一段の低迷を招く恐れがある。逆にそうした措置を求めなけ れば、ギリシャに今回の事態の要因となった構造的問題の修復回避を 許すことになるかもしれない」と述べた。

米ニューヨークに拠点を置く世界最大の為替ヘッジファンド、F Xコンセプツのジョン・テイラー氏は1日、ドバイで開かれた会議に 出席し、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.20-1.25ドルまで下げる 可能性があると指摘した。ギリシャによる債務問題のほか、米国経済 に「若干、改善している」兆候がみられるためだという。

英世論調査

ポンドはこの日、ドルに対して昨年2月2日以降で最大の値下が りを記録した。英世論調査によると、野党・保守党の与党・労働党に 対する支持率のリードは過去2年余りで最小となった。総選挙は6月 までに行われる。

商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたヘッジファンドな どの大口投機の建て玉データによると、ポンドの売り越しは2月23 日に6万2884枚と前週の5万6079枚から増加、2009年10月 13日以来の最大を記録した。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。1月の米個人消費支出がエコノミスト予想を 上回ったほか、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) がアジア生命保険部門を355億ドルで売却すると発表したことに反 応した。S&P500種株価指数は年初来での下げを消した。

AIGはアジア生保部門「AIAグループ」の英生保最大手プル デンシャルへの売却で合意、これを受けてAIGの株価は上昇した。 ミリポアとOSIファーマシューティカルズはそれぞれ、買収合意や 買収提案が好感され大きく上げた。消費関連株ではウォルト・ディズ ニーが高い。1月の個人消費支出が4カ月連続のプラスとなったこと に反応した。インテルなどテクノロジー株は、世界の半導体売上高が 増加したことを手掛かりに買い進まれた。

キー・プライベート・バンクの主任投資ストラテジスト、ブルー ス・マケイン氏は、「個人消費支出の統計は良好だった」とした上で、 「この数字は持続的な経済成長に向けた一歩であり、株式にとってプ ラスだ」と述べた。

S&P500種株価指数は前週末比1%高の1115.71。1月21 日以降で初めて2009年の終値を上回った。ダウ工業株30種平均 は78.53ドル(0.8%)上げて10403.79ドル。ニューヨーク証 券取引所の騰落比率は5対1。

米商務省が発表した1月の個人消費支出(PCE)が前月比

0.5%増と、市場予想を上回ったことを受けて株式相場は上昇して始 まった。その後、米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業 景況指数が56.5と、製造業活動の7カ月連続での拡大が示される と、株価指数は上げ幅を拡大した。

「景気は改善」

ロバート・W・ベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルー ス・ビトルズ氏は「景気は改善しつつある」と指摘。「製造業活動は 7カ月連続で拡大している。2月に聞かれた悪いニュースの多くを振 り払うことができたため、株価は上昇傾向にある」と続けた。

資産家のウォーレン・バフェット氏は、米住宅用不動産の落ち 込みが2011年ごろまでには終わるとの見通しを示し、住宅需要が 供給に追い付くには、それだけの時間を要すると予測。これに反応し、 S&P500種の住宅建設株指数を構成する12銘柄はすべて値上が りした。

バフェット氏は自身が率いる投資・保険会社バークシャー・ハサ ウェイの株主にあてた27日付の書簡で、「向こう約1年以内に住宅 問題はおおむね過去のものとなるだろう」と予想。「価格は当然なが ら『バブル』時を大きく下回る水準にとどまるだろうが、これで痛手 を被った売り手や貸し手の数だけ、恩恵を受ける買い手もいるだろう」 と指摘した。

AIGの部門売却

AIGは4.1%高の25.78ドル。プルデンシャルが1日発表 した資料によると、同社はAIAグループ買収で現金250億ドル、 株式など証券105億ドル相当を支払う。

バイオテクノロジー業界向けに診断・研究機器を供給するミリ ポアは11%高の104.90ドルと、少なくとも1982年以来の高値 となった。独製薬会社メルクは、ミリポアを買収することで正式に合 意したと発表。メルクの買収提示額は1株当たり107ドルで、ミリ ポアの先月26日の終値を13%上回る水準だった。

OSIファーマシューティカルズは52%と急伸し、56.25ド ル。上昇率は04年4月以来で最大。アステラス製薬は、OSIファ ーマシューティカルズへの株式公開買い付け(TOB)を開始すると 発表。発行済みの普通株すべてを対象にしたもので、提示額は1株当 たり現金52ドル。総額は完全希薄化ベースで35億ドルとなる。提 示額はOSI普通株の2月26日終値である37.02ドルを約40% 上回る水準。

S&P500種のテクノロジー株指数は1.4%高。米半導体工業 会(SIA)によれば、1月の世界半導体売上高は前月比0.3%増 の225億ドルとなった。米半導体最大手のインテルは1.7%高の

20.87ドル。

◎米国債市場

米国債市場では10年債利回りがほぼ3週間ぶりの低水準付近で 推移した。原油相場が下落したことから国債の魅力が高まった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が注視するインフレ指標の食品 とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア価格指数が1月に前 月比横ばいとなったことも、国債相場の支援材料になった。2年債と 10年債の利回り格差は5営業日ぶりに拡大した。先週の利回り曲線 のフラット化は持続しないとの観測が強まった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの金利ストラテジスト、アイ ラ・ジャージー氏は「原油が下げ、商品が材料になった」と指摘。 「PCEコア価格指数が抑制されていることに対する遅い反応ともい える。インフレの脅威はまったくない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時24分現在、10年債利回りは3.61%。2年債利回りは 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.80%。

2年債と10年債の利回り格差(スプレッド)は281bpに拡 大。先週は5.7bp縮小し、縮小幅は年初来で最大となった。同利 回り格差は2月18日に294bpと過去最大に拡大している。

グッゲンハイム・パートナーズの米金利トレーディング責任者、 トム・ディガロマ氏は「経済指標の内容を考慮すると、期間の短い国 債は順調に買われている」と指摘。「期間の長い国債には利回りのス ティープ化に向けた売りが一部にみられる」と述べた。

スプレッドが拡大

少なくとも1980年以来初めて、金融政策の変更は2年債と10 年債の利回り格差縮小よりも拡大を意味する可能性がある。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)18社の一 社であるドイツ銀行によると、FRBがバランスシートに保有する2 兆2900億ドルの証券を売却するとの脅威に加え、米財務省による 過去最大規模の国債入札を背景に、期間の長い国債利回りは上昇し続 ける見通しだ。

利回り曲線のスティープ化は企業や住宅の買い手にとって借り入 れコストの上昇につながる一方、過去最低水準の金利を理由に国債投 資から遠ざかっていたファンドマネジャーを呼び込む可能性がある。

米財務省による国債の平均償還年限の延長のほか、9月末までの 今会計年度に過去最大規模の1兆6000億ドルに拡大する財政赤字 を穴埋めするため、オバマ米大統領はこれまで以上に投資資金を引き 付ける必要に迫られている。

個人所得伸び悩み

米商務省が発表した1月の個人消費支出は前月比0.5%増加し た。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.4%増 だった。12月は0.3%増(速報値0.2%増)に上方修正された。

一方、1月の個人所得は前月比0.1%増加。伸び率は市場予想

0.4%増を下回った。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は「個 人所得の低迷を考慮すれば、市場の今後の疑問は消費支出が継続する かどうかだ」と述べた。

ニューヨーク原油先物相場4月限は前営業日比で下落した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場はほぼ変わらず。ドルの対ユーロ相場が 上昇したことで、代替投資としての金への需要が後退した。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は、ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相との会談 後、同国は財政赤字削減に向けて一段の措置が必要だと指摘した。2 月はギリシャの財政問題をめぐる懸念からドルが買い進まれた。通常、 ドルが上昇すると金は下げる傾向がある。

ザブリオンデスク・ドット・コムのアナリスト、ジェームズ・ム ーア氏(ロンドン在勤)はリポートで、「ユーロの動きと全般的なリ スクセンチメントが今後の金の方向性をさらに明確にするだろう」と 指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前営業日比60セント安の1オンス=1118.30ドルで取引 を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は下落。一時は6週間ぶり高値を付けたも のの、ドルの対ユーロ相場が上昇したことで、代替投資としての需要 が後退した。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は、ギリシャが信頼を取り戻すには2010年の赤字 削減計画を達成しなければならないと述べた。同委員の発言を受けて ドルが買われた。午前中の取引では、1月の米個人消費支出が前月比

0.5%増加したことで、原油は1.2%上昇する場面もあった。

MFグローバル(ニューヨーク)のエネルギー担当バイスプレジ デント、マイク・フィッツパトリック氏は「原油は相場上昇を維持で きなかった。ギリシャをめぐる懸念が引き続きユーロを圧迫し、ドル を押し上げている。原油には下押し圧力となっている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前営 業日比0.96ドル(1.21%)安の1バレル=78.70ドルで終了。 一時は80.62ドルと、期近物としては1月13日以来の高値を付け る場面もあった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続伸。財政問題を抱えるギリシャが支援を受ける との観測を背景に買いが入った。金属相場の上昇で鉱山企業の業績見 通しが明るくなったことも買い材料。

ギリシャ国立銀行を中心にギリシャ株は1カ月ぶり高値に上げた。 英豪系の鉱山企業BHPビリトンとリオ・ティント・グループが高い。 チリ大地震の影響で銅相場が上昇した。ドイツの特殊化学品メーカー のランクセスは大幅高。業績予想の上方修正が好感された。

一方、通期利益が予想を下回ったことを手掛かりに欧州最大の銀 行HSBCホールディングスは下落、相場全体の上値を抑えた。

ダウ欧州600指数は前営業日比1.2%高の248.69で終了。

LLBアセットマネジメントのゲロルド・クーネ氏(リヒテンシ ュタイン在勤)は、「ギリシャのデフォルト(債務不履行)は容認で きないというニュースは前向きな材料だ」と語り、「決算シーズンは ギリシャ問題に遮られてしまったが、今回の企業決算は総じて市場が 認識していたよりも良好だ」と続けた。

ギリシャのASE指数は2.9%上昇し、2月3日以来の高値を 付けた。ギリシャ国債の保証コスト低下が買い材料だった。

ギリシャ国立銀行は5.1%上昇。BHPビリトンは3.2%高、 リオは3.1%値上がりした。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債が上昇。欧州連合(EU)の欧州委 員会、レーン委員がギリシャに財政赤字削減に向けた追加措置発表を 呼び掛けたことを背景に、ギリシャ救済策への合意が近づいていると の観測が高まった。

ギリシャ10年債利回りは2週間ぶり低水準を付けた。レーン欧 州委員はこの日、ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相と会談した。 一方、ドイツ10年債は6営業日ぶりに下落し、同利回りは昨年10 月以来の低水準から上昇に転じた。欧州ダウ600指数は、前週末比

1.2%高となった。

エボリューション・セキュリティーズ(ロンドン)の債券アナリ スト、エリザベス・アフセス氏は、「ギリシャ救済をめぐる話題が相 場を大幅に押し上げた。何か発表されるだろうが、赤字削減に向けた 追加措置次第だ。質への逃避の動きがあまりないことから、ドイツ国 債は下落する可能性がある」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ギリシャ2年債利回りは前週末比 38ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.73%。 一時は69bp低下し、先月10日以降で最大の下げとなった。ギリ シャ10年債利回りは19bp下げた後、9bp低下の6.26%とな った。

独10年債利回りは前週末比1bp上昇の3.11%。2月19日 以来で初の上昇。同国債(表面利率3.25%、2020年1月償還)価 格は0.05ポイント下げ101.19。一方、独2年債利回りは

0.94%と、前週末から1bp低下した。

◎英国債市場

英国債相場は下落した。世論調査でブラウン政権が大幅な過半数 を獲得せずに続投する可能性が示され、財政赤字削減への期待が後退 した。この日のポンド相場は対ドルで10カ月ぶり安値を付けた。

2月28日付の英紙サンデー・タイムズに掲載されたユーガブ (YouGov)がまとめた世論調査によると、野党・保守党の与 党・労働党に対する支持率のリードは2年余りで最小となり、6月ま でに行われる総選挙で労働党の過半数議席獲得を阻止できない可能性 を示した。外国人投資家による英国債売りが加速する中、30年債入 札が2日に実施されることも相場へのマイナス要因となった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ロンドン)のシニア為替スト ラテジスト、オードリー・チルドフリーマン氏は「議会審議がこう着 するリスクが高まりつつある。英国が必要とする改革を推進するには 圧倒的な過半数を握る政権が必要だ。政治面での展開が市場の悲観的 なセンチメントを強めた」と語った。

10年債利回りは前週末比6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の4.09%。2年債利回りは8bp上昇し1.02%と なった。バークレイズ・キャピタルの英国債セールス責任者、アダ ム・マコーマック氏は、30年債入札を翌日に控えて「市場関係者が 為替動向と世論調査に注目する中、国債は下落した」と指摘した。

イングランド銀行(英中銀)の1日発表によると、1月の外国 人投資家による英国債売り越しは14億9000万ポンドと、ここ9 カ月で最大となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba、Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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