【今週の債券】長期金利1.3%前半か、米景気減速でフラット(訂正)

今週の債券市場で、長期金利は1.3% 台前半での推移が見込まれる。経済指標の悪化で米国景気に対する楽 観見通しが後退しており、円債市場では投資家の長期債購入が利回り 曲線にフラット(平たん)化圧力をかけると指摘されている。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、5日発表の 米雇用統計に関して弱めの内容を予想する見方が増えれば、米金利の 低下やドル安・円高基調が続きそうだといい、「円債市場でも長期ゾー ンに買いが入りやすく、利回り曲線はフラットニングしやすい地合い が予想される」とみる。

長期金利の指標とされる新発10年国債利回りについて、ブルーム バーグ・ニュースが前週末までに市場参加者4人に聞いた今週の予想 レンジは全体で1.30%-1.40%程度となった。

前週の10年債利回りは低下に転じた。週初こそ売りが先行して

1.345%まで上昇したが、その後は株安などを手掛かりにじり安歩調を たどって、週末には昨年12月30日以来の低い水準となる1.29%まで 低下。結局は1.30%で取引を終えた。

米国では前週に発表された消費者信頼感指数や新築住宅販売件数 が予想を下回って、市場参加者の景況感の悪化を招いている。

また、ギリシャでは信用格付けの引き下げ懸念が高まるなど、引 き続き同国の財政問題がくすぶっていることも、国内債券市場におい て買い材料視されることも考えられる。三井住友海上火災保険投資部 の高野徳義グループ長は、ユーロ売りをきかっけとした円高や株安に は注意が必要だといい、「期末を控えて日銀に追加緩和を求める圧力が 高まれば債券買いを後押しする」と話す。

10年入札が試金石に

債券市場の好地合いが維持されるかを占う上で、財務省が2日に 実施する10年利付国債(3月債)の入札に注目が集まっている。新発 10年債が前週末の水準のまま入札を迎えれば、表面利率(クーポン) は1.3%に据え置かれるものの、週初の取引で調整が入れば4カ月ぶ りに1.4%に引き上げられる可能性もある。

債券市場を取り巻く外部環境がおおむね追い風であるほか、3月 には国債大量償還を迎えることから好需給が続く公算が大きく、10年 債入札は波乱なく通過するとの見方が有力だ。シティグループ証券の 佐野一彦チーフストラテジストは、銘柄統合が2回続いて大量発行さ れた305回債と比べて投資家の需要は強く、入札後の流通市場を含め て良好な結果になるのではないかとみている。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストも、国債償還 に伴う再投資ニーズが強いほか、新発10年債は償還が延びるため305 回債より利回りが高いことも好材料だといい、「短期ゾーンの運用妙味 の乏しさもあって投資家の資金がにじみ出てきそう」だとみる。

長期金利1.3%はなお節目の見方も

もっとも、前週後半にかけて金利低下が進展した背景には、先物 市場での中心限月交代をにらんだ買い戻しや、月末に伴う年限長期化 入れ替えに支えられた側面もあるだけに、長期金利の1.3%は引き続 き節目になるとの指摘も残る。

日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、 貿易統計や鉱工業生産などが強めだったことから、日本では景気の二 番底入りへの懸念が遠のいており、「10年債利回りの1.3%割れはオー バーシュートの領域だ」とみている。

市場参加者の予想レンジとコメント

2月26日夕までに集計した市場参加者の来週の相場の予想レン ジは以下の通り。

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物3月物139円40銭-140円20銭

新発10年債利回り=1.30%-1.36%

「債券はレンジ相場が続く。10年債の入札前は水準調整の売りが 出るものの、入札後に買い戻しが膨らむだろう。3月は償還資金が潤 沢な上、先物も限月交代を控えて潜在的な買い戻し需要がある。ユー ロ売りをきかっけとした円高や株安に注意が必要。期末を控えて日銀 に追加緩和を求める圧力が高まれば債券買いを後押しする」

◎みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリスト

先物3月物139円50銭-140円20銭

新発10年債利回り=1.31%-1.365%

「新発10年債利回りは1.3%台前半の推移。米国の早期利上げ観 測が下火となったことで、円債市場でも緩やかな金利低下をサポート する環境が整い始めた。これまで4-6月期の金利上昇が意識されて きたが、今後は債券を持たざるリスクにも配慮していくべき。10年債 は新しい銘柄になることで投資家にとって買いやすくなる」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物139円40銭-140円20銭

新発10年債利回り=1.30%-1.38%

「堅調地合いを引き継ぐ。米国経済に対する回復期待が揺らぎ始 めており、株価の上値の重さや円高基調が債券買いの材料として意識 されやすい。3月には国債償還が多いことから需給不安も高まりにく く、10年債の入札後に需要が出てくるのではないか。先物市場は売り 方による敗戦処理的な買い戻しが入りやすい」

◎損保ジャパン・グローバル運用部の砺波政明債券運用第1グループ リーダー 先物3月物139円40銭-140円20銭

新発10年債利回り=1.27%-1.35%

「相場は底堅い展開か。年度末の利益確定売りを想定しにくい中 で、来年度の運用資金が流入してくるかが焦点。金利上昇要因が見当 たらないだけに10年債入札でも相応の応札がある。為替の円高リスク もあって、消去法的に債券が買われる投資スタンスが続くのではない か。ただ、米雇用統計の発表を控えて大きな動きにはならない」

--取材協力:船曳三郎、池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Nobuyuki Akama

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