PE投資会社が期待する「黄金時代」、再来しない公算も-価格上昇で

プライベート・エクイティ(P E、未公開株投資)会社は投資家にリセッション(景気後退)後 の数年は資産運用にとって最大の好機だと話しているが、今回は 状況が違うかもしれない。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の レバレッジド・コメンタリー・アンド・データによると、過去70 年余りで最悪の金融危機が終息に向かった昨年にレバレッジド・ バイアウト(LBO、買収先の資産を担保とする借り入れによる 買収)で支払われた価格は、インターネット・バブルが破裂した 後の2001年の平均を約25%上回った。過去3カ月に行われた一 部の取引の評価は、07年のピーク時以来の高い水準となっている。 また、投資会社は取引で株式の利用を増やしているため、投資家 にとってのリターンはさらに抑えられる可能性がある。

英調査会社プレキンによると、投資会社が積極的に投資を目 指す手元資金は過去最高の5070億ドル(約45兆円)と、01年 12月の3倍の水準に達しているが、売却される資産の不足や株式 相場の回復で、割安の案件を見つけるのは困難と指摘する投資会 社幹部もいる。

LBOやヘッジファンド、不動産事業を手掛け176億ドルを 運用するインベストコープ・バンクBSCの欧米部門担当社長、 クリストファー・オブライエン氏は、新たな「黄金時代」を期待 する人たちの話は「ナンセンス」だと指摘。「投資家の資金を運用 させねばならない圧力が今強まっているが、バリュエーション (評価)は依然として高い。売り手市場だ」と指摘した。

ブラックストーンとカーライル

ブラックストーン・グループやカーライル・グループなどの 投資会社は投資家を引き付けるため、過去のリセッション(景気 後退)後に達成したリターンを目指している。プレキンのデータ によると、貯蓄貸付組合(S&L)の危機後の1992年に投資を 開始したファンドは中央値で年21.2%のリターンを記録。ネット 株急落後の01年に開始したファンドは24.5%のリターンだった という。

ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマン会長は1 月にスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会でイ ンタビューに答え、「資産を買収するには素晴らしい時期だ」と述 べ、「バリュエーションは循環するものであり、キャッシュフロー の5倍程度まで低下することもあれば、バブル期には10倍まで上 昇し得る。一部のばかげた取引では12倍になったこともあったが 現在は5-7倍のゾーンにある」との認識を示した。

S&Pによると、米PE会社主導の09年の取引は、PE業界 でバリュエーションの尺度とされるEBITDA(利払い・税 金・減価償却・償却控除前利益)の7.7倍だったのに対し、01年 は6倍だった。

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