ソロス氏:金相場のバブルを示唆-ゴールドマンなど最高値更新を予想

著名投資家ジョージ・ソロス氏が 金相場の上昇に一役買っている。「バブル」を考慮しながらも持ち高を 2倍に増やしている。米ゴールドマン・サックス・グループやバークレ イズ・キャピタル、英HSBCホールディングスは、金相場はバブル崩 壊前にさらに上昇すると予想している。

米証券取引委員会(SEC)への2月16日の届け出によると、ソ ロス・ファンド・マネジメントは、金連動型ETF(上場投資信託) としては最大の「SPDRゴールド・トラスト」の持ち高を2009年10 -12月(第4四半期)に152%増やした。同社の運用資産は約250億 ドル(約2兆2000億円)。

金相場は過去最高値に達した昨年12月3日以降、8.9%下落して いるが、ブルームバーグがアナリスト22人を対象に実施した調査で は、15人が最高値を更新すると予想。予想中央値では、今年16%上昇 し1300ドルに達するとみられている。

ソロス氏(79)は1月、スイスで開催された世界経済フォーラム (WEF)年次総会(ダボス会議)で「金利が低水準の局面では資産バ ブルは膨らむ状況にある。現時点でも拡大している」と指摘。「究極の バブルは金だ」との見方を示した。

グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、ハイテ クバブルが2000年に崩壊する3年前に金融市場の「根拠なき熱狂」 に対して警鐘を鳴らした。S&P500種株価指数はこの間に89%高騰 した。ソロス氏は1月28日、ブルームバーグテレビジョンのインタビ ューで当時を振り返り、バブルの始まりの時期に買いを入れるのは「理 にかなっている」と述べた。

金相場は2000年末以降、4倍に上昇しており、ジョン・ポールソ ン氏やポール・チューダー・ジョーンズ氏、デービッド・アインホーン 氏らヘッジファンド運用者の投資も引き付けている。

ポールソン氏が運用するクレジット・オポチュニティーズ・ファン ドのリターン(投資収益率)は、サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン資産の下落を見込んだ投資で07年にほぼ6倍に上 昇。アインホーン氏は昨年10月、自身が率いるグリーンライト・キャ ピタルが、ドル相場の下落を見込み金を購入したことを明らかにした。

「単なる資産」

米チューダー・インベストメントは米国の産金最大手、ニューモン ト・マイニングの株式の持ち高を09年10-12月に約4倍に増やした。 ポール・チューダー・ジョーンズ氏は昨年10月、顧客向け書簡で、金 は「単なる資産であり、人生の他のすべての事柄と同じようにふさわし い時間と場所がある。そして、今がその時だ」との見解を示した。

ブルームバーグが集計したデータによると、ETF大手4社のファ ンドの金の保有高は計1583トン。米国やドイツ、イタリア、フランス の中央銀行か政府、国際通貨基金(IMF)に次ぐ量だ。

英調査会社GFMSによると、昨年は世界的リセッション(景気後 退)の影響を軽減するための投資先として金需要が拡大したことから、 金地金や金貨などの投資需要は1820トンに倍増した。GFMSの1月 13日の発表によると、投資需要が宝飾品向け需要を上回ったのは約30 年ぶり。金相場は最高値の1226.56ドルに達した。10年前には中央銀 行が売却を進めるなか、20年ぶりの安値である251.95ドルまで下げ た。

アメリカン・プレシャス・メタルズ・アドバイザーズのマネジング ディレクターで、中央銀行や鉱山会社にアドバイスするジェフリー・ニ コルズ氏は「ソロス氏は金相場のバブルが到来すると考えているようだ が、バブルはしばらくの間続くと予想される。そこから利益を得ること を望んでいる」と指摘。「バブルが到来する可能性はあるが、バブルが 終わる前に金は2000ドルか3000ドルに高騰し得る」との見方を示した。

ソロス・ファンド・マネジメントは、09年末時点でSPDRゴー ルド・トラストにとって4番目の大口投資家となっている。SPDRフ ァンドの金保有高は1107トンと、スイスや中国をしのぐ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE